変わる遺伝子医療 私のゲノムを知るとき
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著者は、東京大学医科学研究所に所属し、遺伝カウンセリングと遺伝子医療の研究に携われている古川洋一教授(臨床ゲノム腫瘍学分野)。 遺伝子医療というと、DNAの構造や4つの塩基の解説から入るものが多いのだが、本書は、いくつかのがんの実例から、その病気の特徴から実際に患者さんがどのように検査、治療を選択していったかが説明されている。実例は膵臓(すいぞう)がんではないが、 どのような背景であればどう考えていけばよいかが示されていて、医療を受ける側としてわかりやすい。後段では、遺伝とは何か、遺伝子とは何か、また遺伝子解析による抗がん剤の選択やバイオマーカーにどのように関係するかが、最新情報を交え解説されている。 全編を通して、ゲノム医療を選択するかを考える人々に寄り添う内容で、一般の人が向かいやすい入門書といえる。
ポプラ社(ポプラ新書) 780円+税 古川洋一 著 2014年3月15日刊行 |