ノバルティスは、核医薬品ルタテラ静注(PRRT療法)の製造を一時停止したと発表
2022年5月5日
ノバルティスは、本日、イタリアのイブレア工場とニュージャージー州のミルバーン工場において、製造されている膵神経内分泌腫瘍の治療薬ルタテラ(Lutathera®/Lutetium (177Lu) oxodotreotide)と前立腺がんの治療薬プルビクト(Pluvicto™/177Lu-PSMA-617)の生産ラインを一時的に停止したと発表した。この措置は、製造プロセスで特定された潜在的な品質問題に対応するために、十分な注意を払って行われています。これらの一時的な生産ラインの停止は、米国とカナダの神経内分泌腫瘍と前立腺がんの患者の治療および臨床試験への核医薬品供給に直接影響を与えるため、現時点での期待は、これらの問題の速やかな解決と6週間以内の一部の製造ラインの再稼働です。
ルタテラの一部の用量は、スペインのサラゴサにあるNovartis放射性リガンド療法の生産拠点からヨーロッパと日本を含むアジアで入手可能ですが、供給が多少遅れる可能性がでてくると言われています。日本へのルタテラの供給に影響が及ひ、国内で患者が治療を受けられない事態が懸念されます。
さらに、ノバルティスは、世界中のブルビクト(177Lu-PSMA-617)の臨床試験、および米国とカナダでのルテチウムの臨床試験に関するスクリーニングと患者登録を一時的に保留としています。
核医薬品の品質と患者の安全は、ノバルティスの最優先事項で、現在、これらのサイトで以前に製造された核医薬品の線量による患者へのリスクの兆候はありません。ノバルティスは、最近ルタテラまはたブルピクトを注射された患者を注意深く監視するよう治療施設に通知し、有害事象があればノバルティスの患者の安全サイトに報告するように依頼しました。
この状況は、患者、その家族、およびケアチームに影響を与えることを認識しています。ノバルティスはこれを非常に真剣に受け止めており、同社はこの問題を解決し、可能な限り迅速に患者への投与が再開されるためにできる限りのことを行っています。保健当局はノバルティスより通知を受けており、工場が再稼働し核医薬品が供給可能になったときに追加の情報を受け取ります。
以上
参考資料:
2021年8月31日 プレスリリース:神経内分泌腫瘍を対象とした治療用放射性医薬品「ルタテラ®静注」 新発売のお知らせ
https://www.fujifilm.com/fftc/ja/news/267
2022年5月5日 Novartis Press Release
Novartis provides update on production of radioligand therapy medicines
2022年5月9日 Imaging Technology News