2013年10月30日 横浜市立大学消化器・腫瘍外科学 村上 崇 先生

PancanAward2013murakami村上先生

 

 

 この度はこのような大変貴重な賞を与えて頂き、衷心より感謝申し上げます。

 ご存知のように膵がんは、数々の消化器がんの中でも特に治療成績の悪いがんといわれています。私のこれまでの臨床経験においても、手術をしたにもかかわらず早期に再発し、亡くなられた患者様を診てきました。何とか助かる治療法はないのだろうか、なんとかしなければという思いをいつも持っていました。しかし近年、ジェムザール等の新規抗がん剤が開発され、さらに手術前の放射線療法や抗がん剤治療が導入されつつあり、治療成績が向上したという報告もみられるようになってきました。当科においても、2009年から進行膵がんの患者様を対象に手術前に抗がん剤と放射線療法を併用する術前放射線化学療法を導入し、日本でも有数の症例数を数えております。抗がん剤や放射線療法は、元来はがん細胞を殺す作用を期待して行われる治療です。しかし近年、ジェムザール等の抗がん剤や放射線療法が、がん細胞を殺す作用に加え、がん免疫を高める作用、つまり免疫増感作用をもつことが少しずつ明らかになっています。そこで当科ではがん免疫の見地から、放射線化学療法が膵がんに及ぼす影響についての研究を行いました。その結果、がん局所においても、全身においても、放射線化学療法が免疫増感作用をもつことが示唆され、この度の第44回膵臓学会大会で報告させて頂きました。 私は、がん免疫の観点から膵がんの治療が発展する可能性は十分にあると考えていますが、現状はまだまだ満足できる治療成績ではありません。さらに新しい治療法、新しい知見について学び、あるいは治療法の開発に参画してゆきたいと考えております。そして膵がん患者の皆様および、支えている皆様が希望を持って生きていけるような医療の実現に向けて今後も努力してゆく所存です。

 



横浜市立大学消化器・腫瘍外科学 村上 崇
2013年度Young Investigator Award(若手研究者賞)受賞

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