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海外ニュース:プレシジョンプロミス臨床試験コンソーシアムの委員長にバージニアメーソンメディカルセンターのヴィンス・ピコッツィ氏が就任

2017年3月9日

 

バージニアメーソンメディカルセンターのFloyd&Delores Jones Cancer Instituteの膵臓胆道プログラム担当ディレクター、ヴィンス・ピコッツィ氏を紹介したい。ヴィンス・ピコッツィ氏は、パンキャン本部の科学&医学諮問委員会の長年メンバーであり、当初は、プレシジョンプロミス臨床試験コンソーシアムを構成する12の医療施設の1つ、バージニアメーソンメディカルセンターの主任研究員(PI)であった。

 

プレシジョンプロミス(Precision Promise)は、膵臓がん患者のための最初の大規模なプレシジョンメディシンの試験である。ピコッツィ氏は、2017年3月に臨床試験コンソーシアム運営委員会の委員長に就任した。委員長は、全国のすべてのコンソーシアムサイトと協力関係を築くために重要な役割を担っている。臨床医の間に協力と学ぶ文化を創出する研究と臨床試験のためのコンソーシアムは、臨床医、研究者、診断薬と医薬品の開発者などから構成され、患者はあらゆる決定の中心にいる。パンキャン本部は、ピコッツィ氏に膵臓がんに関する治療の進歩、また課題、膵臓がんに直面する患者に新しい治療を届けるためにプレシジョンプロミスが果たす役割など、膵臓がん全般について質問した。

 

■ピコッツィ先生とのインタビュー

 

司会)ピコッツィ先生、いつから医者になりたかったのですか?

 

先生)私はクラリネットとサクソフォンを演奏していて、まあ、ほとんどジャズのミュージシャンになりかけていました。 しかし、私はプロの演奏者としては十分にうまいとは言えませんでした。結局のところ、私の科学についての考え方と人に対する考えを組み合わせることができた医学に引き寄せられました。

 

司会)何がきっかけで膵臓がんに興味をもつようになりましたか?

 

先生)膵臓がんについては、私はいつも「この病気が私を見つけた」と言います。私が20年以上前に腫瘍内科医としてVirginia Mason病院にはいったとき、医師は消化器がんの治療法などは専門としていませんでした。誰もが同じ基本的ながん治療の訓練を受けました。当時、膵臓がん患者を喜んでみていたスタッフは私だけでした。

当時、この病気を治療する薬はありませんでした。私はすぐに患者に何もしてあげることができない、治療薬がないことを伝えるのに疲れ果てました。そこで、私はいくつかの膵臓がんの臨床試験を自ら設計し、実行し始めました。これは、(膵臓がん)コミュニティの大きな穴(ギャップ)を埋め、患者の予後を改善するために必要な新しい治療法の開発に取組むことでした。

 

司会)それから20年たち、膵臓がんのゲノム医療を実現するプレシジョン・プロミス(Precision Promise)臨床試験がスタートしました

 

先生)膵臓がんを研究し治療する私たちは全員、膵臓がんの遅い進歩のペースで挫折した経験をもっています。パンキャン本部(膵臓がんアクションネットワーク)がプレシジョン・プロミスを開始するために作成した臨床試験のモデルについて聞いたとき、私はこれがいくつかの重大な問題を解決し、膵臓がんの治療の進歩を加速することができると感じました。

 

司会)プレシジョン・プロミスと他の臨床試験との違いは何ですか?

 

先生)それはあらゆるタイプの方法で異なります。プレシジョン・プロミス臨床試験には信じられないほどの才能、情熱、専門知識が集まり、協力しあっています。この集団的努力の一部となることはエキサイティングです。私は常に私の尊敬している同僚やパートナーから学んでいます。

コンソーシアムを構成する12の権威あるセンターは、臨床試験を行うだけでなく、患者の診療方法や患者のケア方法を合理化するために集まっています。創薬開発者との独自のパートナーシップは、より良い臨床試験のデザインを提供し、患者に新薬をより迅速にもたらすことを可能にしています。各患者が受ける「分子プロファイリング」検査は最先端のものであり、これまでにこの疾患で行われたものよりもはるかに優れています。非常に豊富なデータを分析するこの新しい技術を活用すれば、結果をより迅速に得ることができます。

 

■ピコッツィ先生は患者とともに希望を創る

 

司会)先生の所属する施設、バージニアメーソン(Virginia Mason)が最初の臨床試験コンソーシアムのサイトの1つに選ばれたとき、どのように感じましたか?

 

先生)非常に光栄なことであり、私の施設と私たちのすばらしいチームも非常に満足しています。施設の選定は、競争の激しいアプリケーションプロセスを経て決まります。我々は真摯にその結果を受け止めました。

 

司会)コンソーシアムの委員長就任、おめでとうございます。このアポイントメントはコンソーシアムに何をもたらしますか?

 

先生)私は自分自身を組織内で接着剤の役割を担う「グルー・ガイ」と考えています。私の仕事は、臨床試験に参加するサイトが効率的に、個別に、そして集合的に働いていることを確認し支援することです。

 

司会)その指導的な原則は、先生がこの役割を果たすのに役立ちますか?

 

先生)私が医学の訓練の早い段階で学んだ教訓は、「患者をあなたの心に近づければ、間違うことは決してない」でした。だから私はあらゆる経験をいつも患者やその家族がみるように、患者目線で調べようとしています。

このプレシジョンプロミス臨床試験エンタープライズの最大の強みは、患者中心主義です。患者に触発された、患者主導の、患者中心の機能です。

 

司会)プレシジョンプロミスを一言で表現するとしたら、それは何でしょうか?

 

先生)驚き(Astounding)。

 

司会)ピコッツィ先生のリーダーシップと思いやりに感謝です。先生、ありがとうございました。

 

(編集注:ピコッツィ先生の奥様が日本人ということもあり、日本食がお好きで、大の日本ファンです。)

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