Cancer Today:ワクチンが膵臓がんの治療に活路を開く
Photo by ©AACR/Scott Morgan
Cancer Today:ワクチンが膵臓がんの治療に活路を開く
科学者たちは、膵臓がんは免疫療法に反応しないと考えていました。しかし、現在ではワクチンが免疫システムを刺激して病気に立ち向かわせることが研究で明らかになっています。
トーマス・セローナ著
2024年4月26日
ニューヨーク市のメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの外科腫瘍医であるヴィノッド・バラチャンダン医師は、4月7日にサンディエゴで開催された米国がん研究会議(AACR)の年次総会で、膵臓がんを対象とした個別化mRNAワクチンを試験した第I相臨床試験の結果について発表しました。
免疫療法において、腫瘍は「ホット」または「コールド」と考えることができます。「ホット」とは、腫瘍内に免疫細胞の存在を示す証拠があることを意味し、免疫療法がこの初期反応を増強できる可能性を示唆しています。一方、「コールド」とは、がんが免疫反応を促さないことを意味し、免疫療法の効果はほとんど期待できないことを示しています。膵臓がんは長い間「コールド腫瘍」と考えられており、科学者たちはワクチンがこの疾患の転帰に影響を与える可能性を疑ってきました。しかし、新たな研究により、この長年の考えは否定されつつあります。