学ぼう!活かそう!がんゲノム医療(初級編)ビデオのご紹介
学ぼう!活かそう!がんゲノム医療(初級編)ビデオのご紹介
膵臓がんの治療は近年大きく進化し、患者さん一人ひとりの腫瘍の特徴(KRAS、ALC、に合わせて治療を選択する「がんゲノム医療」が広がりつつあります。特に膵臓がん領域では、分子標的薬や遺伝子変異に基づく治療選択が現実的な選択肢となり、治療の可能性が着実に広がっています。
膵臓がんで臨床的に重要な「遺伝子変異」と、それに対応する(承認済み/臨床試験中の)薬剤を、最新情報に基づいて体系的に整理しました。
◆膵臓がんで重要な遺伝子変異(ゲノム医療の中心)
膵臓がんは「Big4」と呼ばれる主要ドライバー変異が特徴で、特にKRAS変異が90%以上と圧倒的に多いことが最大の特徴です。
① KRAS変異(約90%)— 膵臓がんの中心的ドライバー
G12D(最多)、G12V、G12R、G12A / G12S(少数)があります。
対応薬剤(最新)には、ダラクソンラシブというKRAS G12D標的薬があります。この薬剤は、2026年8月に米国FDAが転移性膵腺癌で承認されました(日本未承認)。
セチデグラシブは、KRAS G12D標的のタンパク質分解誘導薬(TPD)で、2026年に第3相臨床試験開始されました。
KRAS G12C阻害薬ソトラシブは、早い段階で肺がん治療に開発され使用されていますが、膵臓がんでは頻度が1–3%と極めて少ないため、臨床的インパクトは限定的です。
② TP53変異(70–80%)
膵臓がんでKRASに次いで多い変異ですが、標的薬はありません(研究段階)。
③CDKN2A変異(40–60%)
標的薬はありません(研究段階)。
④ SMAD4変異(30–50%)
標的薬はありません(研究段階)。
◆膵臓がんのその他の遺伝子変異
膵臓がんで「治療標的になり得る」希少変異(Actionable mutations)は、全体的に頻度は少ないものの、治療薬が存在する重要な遺伝子変異があります。
① BRCA1/2変異(約5–7%)
PARP阻害薬(オラパリブ)が使用可能です(日本でも承認済)。
② MSI-High(1%未満)
免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブ)が有効ですが、MSI-Hは膵臓がんでは極めて稀です。
③ NTRK融合
TRK阻害薬(ラロトレクチニブ/エヌトレクチニブ)はがん種横断的に承認されています。
④ ALK融合
アレクチニブなどは、がん種横断的適応拡大が審議中です(2026年)。
⑤ BRAF V600E
BRAF/MEK阻害薬(ダブラフェニブ+トラメチニブ)
⑥ HER2増幅
HER2標的薬(トラスツズマブ系)
(膵臓がんでは頻度は低いが治療選択肢になり得る)
---
◆まとめ:膵臓がんゲノム医療の要点
- KRAS変異が圧倒的に多く(90%)、G12Dが最多。
- KRAS G12D標的薬(ダラクソンラシブ)が2026年に米国で初承認
- BRCA1/2変異ではPARP阻害薬が有効。
- MSI-H、NTRK、ALK、BRAFなど希少変異は「がん種横断薬」が使える。
- TP53、CDKN2A、SMAD4は頻度が高いが標的薬は未開発。
膵臓がんは「治療標的が少ない」と言われてきましたが、KRAS G12D薬の登場により、2026年以降はゲノム医療が大きく進展する領域になっています。
中外製薬が提供する動画シリーズ 「学ぼう!活かそう!がんゲノム医療(初級編)」は、がんゲノム医療の基本的な考え方を、専門知識がなくても理解できるようにわかりやすく解説した入門コンテンツです。
がんの遺伝子変異とは何か、どのように検査を行い、治療選択にどう役立つのかといった基礎から、実際の臨床での活用までを丁寧に紹介しています。
膵臓がん患者さんやご家族にとって、治療の選択肢を理解し、主治医との相談をより充実させるための有益な情報源となる内容です。これから分子標的薬の時代に入っていく膵臓がん治療において、ぜひ一度ご覧いただきたい動画です。
---
**動画はこちら(中外製薬公式)**
「学ぼう!活かそう!がんゲノム医療 初級編
https://youtu.be/4oTSfy0Cd8I?si=mQLDUBzO6URkA1ue










