海外ニュース:特定の遺伝子変異を持つ膵臓がん患者のための拡張アクセス試験制度
海外ニュース:特定の遺伝子変異を持つ膵臓がん患者のための拡張アクセス試験制度
~日本にもほしい拡張アクセス試験制度~
2020年11月6日
拡張アクセス制度下で行われる臨床試験は、他の固形腫瘍の患者と共に、進行性膵臓がん患者で特定の遺伝子変異を持つ人を助けることができる可能性があります
編集注:FDAの「思いやりのある使用(コンパショネートユース)」と呼ばれることもある拡張アクセス制度は、すぐに生命を脅かす状態または重篤な疾患または状態の患者が、治験中の医療製品(薬物、生物学的、または医療機器)にアクセスすることを認める公的制度。この制度は、日本にはない。未承認薬を使用する際の安全性の問題、また混合診療が認められていないため、未承認薬を使用すると治療費全体が患者負担となるなどの問題があるため。解決策として、コンパッショネートユース制度で使用できる薬を、既に欧米で承認されている薬に限定することで安全性の問題を回避し、さらに一部で混合診療を認めることで患者の負担を軽減することなども提案されているが、実用化にはいたっていない。
FDAによるこの新しい制度のお陰で多くの臨床試験でテストされている新薬が、拡張アクセスプログラムで利用できるようになりました。ここで紹介する試験は、膵臓がん、大腸がん、非小細胞肺がん、黒色腫など、特定の遺伝子変異を伴う固形腫瘍の患者を対象としています。