海外ニュース:BRCA/PALB2遺伝子変異をもつ進行膵がんに対するルカパリブ維持療法の長期成績が報告されました
BRCA/PALB2遺伝子変異をもつ進行膵がんに対するルカパリブ維持療法の長期成績が報告されました
2026年5月7日
米国ペンシルベニア大学アブラムソンがんセンターの研究チームは、 BRCA1、BRCA2、PALB2 の遺伝子変異を持つ進行膵がん患者に対するPARP阻害薬ルカパリブの長期成績 を報告しました。 本研究は、JAMA Oncology に研究レターとして掲載されています。
🟣 研究の背景
膵がんの中には、BRCA1/BRCA2/PALB2 などの遺伝子変異を持つ患者さんが一定数存在します。 これらの変異を持つ腫瘍は DNA修復に弱点があるため、PARP阻害薬が効果を示しやすいと考えられています。
今回の研究は、プラチナ系抗がん剤が効いている(プラチナ感受性)患者さんに対し、化学療法後にルカパリブを維持療法として継続した場合の長期的な効果を調べたものです。
🧪 研究の概要
- 対象患者:42名(2017〜2019年に登録)
- 遺伝子変異の内訳
- BRCA2:27名
- BRCA1:7名
- PALB2:6名
- 体細胞BRCA2変異:2名
- 40名が転移性膵がん
- プラチナ系抗がん剤を16週間以上受け、耐性がないことが条件
- ルカパリブ:600mgを1日2回、病状悪化まで継続
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📊 主な結果
追跡期間は 中央値 77.9か月(約6.5年)と非常に長期にわたりました。
- 無増悪生存期間(PFS)中央値:12.8か月
- 全生存期間(OS)中央値:24.3か月
特に注目すべき点として:
🟢 7名(16.7%)が “5年以上” 病状が悪化せずに生存
進行膵がんにおいて、5年以上の長期無増悪が確認されたことは非常に重要な成果です。
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🟣 今回の研究が示す意義
- BRCA1/2・PALB2変異を持つ膵がん患者では、PARP阻害薬による維持療法が長期生存につながる可能性がある
- 遺伝子変異に基づく治療選択(プレシジョン・メディシン)の重要性が再確認された
- 適切な遺伝子検査を行うことで、治療の選択肢が広がる可能性 がある
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🟩 PanCAN Japan からのメッセージ
膵がん治療は日々進歩しており、 遺伝子変異に基づく個別化医療 はその中でも特に期待される分野です。
BRCA1/2・PALB2変異は、
患者さんご自身だけでなくご家族にも関わる可能性があるため、
遺伝子検査や遺伝カウンセリングの活用が重要です。
PanCAN Japan では、 最新の研究情報や治療選択肢について、
患者さん・ご家族の皆さまに分かりやすくお伝えしていきます。















