よくわかるがん治療 膵臓がん・胆道がん
2020年3月に刊行された本書は、画像やグラフ、イラストを多数用い、膵臓(すいぞう)がんについてより分かりやすく書かれたもので、巻頭の「目で見る膵臓がん・胆道がん」の特集で、統計や術前化学放射線療法などの最新情報を提供している。 長年5年生存率の改善が最も求められている膵臓がんは、医療技術の進歩により早期診断が可能になり、手術不能進行がんは手術の可能性が広がっている。 確定診断までの診断法、前駆病変とされるIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)もタイプにより良性、悪性の種類があるなど、丁寧に解説されている。また、各治療法に併せ、「外科切除不能症例の支持療法」「術後再発・転移したときの手術」「高齢者への手術の可能性とリスク」等、ニーズの高い分野も取り扱われている。 病気を向き合う際に必要な情報は、最終章に「医療者とのコミュニケーション力を高める」「家族に求められる役割」「治療を選ぶためのチェックリストと手順」などにまとめられていて、参考になる。 主婦の友社 1,500円+税 神澤輝実 監修 がん・感染症センター都立駒込病院 協力 |