がん重粒子線治療のナゾ
米国のローレンス・バークレイ国立研究所で世界で最初に取り組まれた重粒子線治療は、1992年以降は同国では研究が継続せず、日本では1994年からに放射線医学総合研究所(放医研)により治療がスタートした。本書では冒頭で、米国が2015年から放医研との共同研究から再参入を決定したことが書かれている。 1994年の研究開始から現在まで、日本では良好な治療成績を上げ、その実績が確立しつつある重粒子線治療。本の帯で「患者さんに優しくて力持ち。だけど医療界の嫌われ者、なんで?」と記されているように、本書では、重粒子線治療の解説だけでなく、その歴史的な背景、世界有数の日本の先端技術への警告など、これからの可能性を含む、「重粒子線治療の裏側」も教えてくれる。 医療的な視点で書かれた解説書と併せて読むと、この治療法の理解がさらに進むと思われる1冊。
大和出版 1,600円+税
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