心を癒す言葉の花束
あるときふと、深い悲しみに包まれて、だれかに何かを言ってもらいたいときがある。「気持ちがわかるわ」「そうねそうね」という言葉ではなく、ひび割れた心をほんの少しでも癒してくれるものを心からほしいと思うときがある。 著者のアルフォンス・デーケン氏は、上智大学名誉教授。死生学を専門とし30年にわたり同大学で教鞭をとった。この本は、困難に遭遇したとき、それを乗り越え、よりよく生きるための支えとなる「言葉」を8つの章「苦しみ」「光」「愛」「勇気」「受容」「死」「希望」「今を生きる」に分けてデーケン氏が選び、自分の人生に重ね合わせて解説をしている。選ばれた40の言葉にそえられた解説は四角四面でなく、ユーモアと愛情にあふれ、とても読みやすい。本書は、膵臓がんの遺族で公認心理士の池野多美子氏に推薦いただいた。
集英社新書 840円+税 アルフォンス・デーケン 著 2012年7月13日刊行 |