膵がん啓発パープルリボンキャンペーン2009in 尾道

 

■8月1日『膵臓がん治療の最前線』でのメッセージ ―― 「膵がんは治る!」

 

去る8月1日、第40回日本膵臓学会年次総会と共催で開催された「膵がん啓発パープルリボンキャンペーン」第2弾の『膵臓がん治療の最前線」セミナーでのメッセージは「膵がんは治る!」。

このセミナーで、九州大学臨床・腫瘍外科 田中雅夫教授は、「2cm以下で見つかり、切除された膵臓がんの5年生存率は73%」と発表した。また、“早期発見の糸口”として強調したのが「糖尿病」で、「肥満や家族歴がなく、アルコールもあまり飲まないのに初めて糖尿病と言われた人や、糖尿病の経過観察中に理由が不明で悪化した人、経過はいいのに体重が減少した人などは非常に危険」なので、できるだけ早く超音波などの精密検査を受けてほしいと発表した。
しかし、これといった症状のない段階で膵臓がんを発見するには、まずその危険因子について知る必要がある。「できるだけ多くのハイリスクの人に検査をうけていただくためには、膵臓がんの危険因子である糖尿病、慢性膵炎、家族歴、喫煙についての啓発活動が必要だ」と膵がん啓発パープルリボンキャンペーンをすすめているNPO法人パンキャンジャパン理事の眞島喜幸氏は語る。

 

■進む 膵臓がん早期発見システム ―― 我が国の先駆を走る「尾道方式」

我が国ではそのような早期発見システムを構築する取組みがすでに始まっている。厚生労働省が地域医療連携の「あるべき姿」のモデルとされている広島県尾道市では、「尾道市医師会方式ケアカンファレンス」を通して、膵がん早期発見の試みが進んでおり、実際に成果を生み始めている。

JA広島厚生連・尾道総合病院・内視鏡センターの花田敬士氏が示す早期膵がん発見のクリニカルパスでは、まず「診療所」において腹部エコー検査を行い、検査を通して、膵管拡張、膵嚢胞などの軽度異常を発見したあと、それを受けて「JA尾道総合病院」にて、EUS検査でフォローするというものだ。「かかりつけ医と専門医が連携し、つねに早期膵がんを拾い上げる努力は大切だ」と花田敬士氏は語る。

JA尾道総合病院では、平成15年からの5年間で138症例(EUS検査症例の13%)の膵臓がんを発見し、そのうち腫瘍径2cm以下(TS1)は20%であったという。膵癌全国登録調査報告と比較すると、Stage1は全体の僅か1.3%Stage2は2.3%Stage3が36%、Stagea23%Stage4bが60%)であるが、TS1手術症例におけるStage1は23.8%と高い割合で含まれる可能性があることを示唆する論文1)もあり、このような尾道システムが全国に広ろがることにより、膵がんの早期発見、生存率向上に繋がることが期待される。

 

文献
1)TS1 膵癌手術症例の検討
長井和之、和田道彦、細谷亮、梶原建熈.TS1 膵癌手術症例の検討.膵臓2006;21:323―328.

 

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