進行性膵内分泌腫瘍の患者さんの無増悪生存期間が約17カ月間に
  • エベロリムスと「サンドスタチン® LAR®」の併用療法により、進行性膵内分泌腫瘍の患者さんの84%で腫瘍が縮小
  • 膵内分泌腫瘍は難治性の希少ながんであり、化学療法が奏効しなくなった患者さんの治療選択肢は限られている
  • 本試験の結果を検証するため、進行性膵内分泌腫瘍の患者さんを対象に、エベロリムスの第III相試験が進行中

2009年6月24日、スイス・バーゼル発 — エベロリムス(米国での製品名:Afinitor®) と「サンドスタチンLAR」注射液(一般名:酢酸オクトレオチド)の併用、あるいはエベロリムスの単独投与によって、膵臓の進行性神経内分泌腫瘍(進行性 膵内分泌腫瘍:Pancreatic Neuroendocrine Tumors)の患者さんの腫瘍の増殖が抑制される可能性があることを示す新しい研究結果が示されました。

 

RADIANT-1 (RAD001 In Advanced Neuroendocrine Tumors) 試験は、化学療法が奏効しなくなった膵内分泌腫瘍の患者さん160名を対象とする第II相試験です。本試験の最終解析によると、エベロリムスと、数種の神 経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumors;NET)の症状コントロールに対して承認されている「サンドスタチンLAR」の併用投与を受けた患者さんの無増悪期間は中央値で16.7カ 月となり、最初の解析よりも約4カ月延長したことが明らかになりました1,2。さらに、併用投与を受けた患者さんの84%で腫瘍の縮小が見られました。エベロリムスの単独投与を受けた患者さんの無増悪期間は9.7カ月で、約60%の患者さんで腫瘍の縮小が見られました1

 

NETは、内分泌系と神経系双方に関与する細胞が腫瘍化するがんの一種で、中でも膵臓のNETは希少疾患です。患者さんの約60%は、すでにがんが 身体の他の部分に広がっている進行した状態で診断されるため、治療はさらに困難になります。進行性膵内分泌腫瘍の患者さんの生存期間の中央値は17カ月で す3

 

テキサス大学医学部 M.D.アンダーソンがんセンター准教授であるジェームズ・ヤオ医学博士(James Yao, MD, Associate Professor of Medicine at The University of Texas M. D. Anderson Cancer Center)は次のように述べています。「RADIANT-1 試験で得られたこれらの最終結果は、エベロリムス単独あるいは「サンドスタチンLAR」と併用することで、より長期間にわたり腫瘍を安定させられる可能性 を示しています。進行性膵内分泌腫瘍の治療選択肢は現在限られており、これらの有望なデータは、エベロリムスが化学療法後に疾患が進行した患者さんにベネ フィットを提供する可能性を示唆しています」。

 

さらに、RADIANT-1 試験の結果を検討し、エベロリムスのベネフィットを最も大きく受けられる患者さんを特定するためのバイオマーカーについても評価しました。試験データの解 析では、クロモグラニンA(chromogranin A;CgA)とニューロン特異性エノラーゼ(neuron-specific enolase;NSE)濃度に早期に反応が認められた患者さんは、早期に反応が認められなかった患者さんよりも無増悪生存期間が長いことが示されまし た。NETの患者さんにとって、よりよい治療選択肢を決める上でのバイオマーカーの潜在的な価値を見極めるため、第III相試験でさらなる評価を行ってい ます1

 

現在進行中のRADIANT-3 試験は、膵内分泌腫瘍の患者さんに対する治療選択肢としてのエベロリムスの可能性をさらに検証することを目的とした第III相試験で、すでに患者さんの登 録を完了しました。この試験は、エベロリムスの投与とベスト・サポーティブ・ケアにより、無増悪生存期間の延長と全生存期間への寄与の可能性について評価 すると同時に、副次的な目的としてバイオマーカーCgAについても検討する予定です。

 

 

参考資料:

 

■膵臓内分泌腫瘍:

http://www.netlinks.jp/

 

■ノバルティス社プレスリリース :

http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090703_02.html
http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090612.html 

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