■がん遺伝子治療薬TNFerade、米FDAより希少薬の認定を受ける
2009年11月4日、米国GenVec社は、局所進行性膵がんを対象とした生物学的製剤「TNFerade」が米国食品医薬品局(FDA)のOrphan Drug(希少薬)認定を受けたと発表した。FDAは、年間患者数が20万人以下の疾病で、既存の治療薬と比較して顕著な改善が期待できる薬剤に対して「希少薬」の認定を与えています。希少薬の認定を受けることで、承認後7年間の独占販売権、税控除、FDA費用の免除など、多用な恩恵を受けることができます。
TNFeradeは、TNFα(Tumor Necrotic Factor-α:腫瘍壊死因子)の遺伝子を含む複製欠損性アデノウイルスベクターを用いてがん細胞に攻撃します。TNFαはサイトカインの一種で、がん細胞を死滅させる効果があることは認められてきました。しかし、TNFのレセプターは腫瘍細胞を含め、様々な細胞にも存在することから全身的な毒性の問題があり、有効なドースを投与することが困難でした。TNFeradeは、放射線誘導性プロモーターによってTNFを制御するため、放射線を受ける部位において効果を最大化できる特長があります。腫瘍部位に選択的に薬剤を送達することを可能とする優れた特性のある薬剤です。
参考資料:
http://www.genvec.com/download/press/2009%2011.04%20Orphan%20Drug%20Press%20Release.pdf