[報告] 5/29 厚労省へ「膵臓がんに対するNALIRIFOXの早期承認に関する要望書」を提出
2023年5月29日に、膵臓(すいぞう)がん治療法に関する要望書を、厚労省に提出いたしました。
画像は、要望書をお受け取りいただきました 厚労省 医薬品審査管理課長の 吉田易範様(右)と パンキャンジャパン 眞島理事長(左)です。
NALIRIFOX(ナリリフォックス)とは、聞きなれない言葉ですが、膵臓がんの4剤併用の治療法で、併用するのは 「ナノリポソーム型イリノテカン(=オニバイド)+フルオロウラシル(5-FU)+ロイコボリン+オキサリプラチン」の4つです。 (同じく膵臓がんの4剤併用療法に FOLFIRINOX (フォルフィリノックス)がありますが、 FOLFIRINOX の 「イリノテカンをオニバイド(=改良型イリノテカン) に変えた4剤併用」と覚えていただくとわかりやすいかもしれません。)
膵臓がんは60歳以上の罹患者が多く、特に高齢の患者さんも多いがんですが、FOLFIRINOXは高齢者へは推奨されていないこともあり、新たな治療法の開発が要望されていました。この度、ASCOーGI(米国臨床腫瘍学会・消化器癌シンポジウム)2023で、NALIRIFOX(ナリリフォックス)についての全生存期間の有意な延長が示され、かつ高齢者も被験者に含まれている 臨床試験 NAPOLI-3試験の結果が発表され、NALIRIFOX(ナリリフォックス)について、高齢な患者層に有望な治療の選択肢と期待されます。一方で、NAPOLI-3試験に日本が参加していないため、日本への導入が大幅に遅れることが予想され、今回の要望書の提出となりました。まだ5年生存率の最下位が続く膵臓がんに、新たな治療法をもたらすために、ぜひ多くのかたにも ご協力いただけますと幸いです。
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■膵臓がん治療法改善のための署名にご協力ください
「膵臓がん治療薬のドラッグラグ解消に関する要望書」
*ご賛同下さる方は、下記よりご入力ください。
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■参考記事
●がんナビ 2023年1月22日
「転移のある膵癌の1次治療でNALIRIFOXがnab-パクリタキセルとゲムシタビンの併用よりOSとPFSを有意に延長【ASCO GI 2023】-膵癌の新しい1次治療だが日本の施設は参加せず」
●日経メディカル 2023年2月9日
「ASCO GI 2023 膵癌にNALIRIFOX、胆道癌にIO併用療法や新規薬剤で有望な効果
NALIRIFOXは世界的な標準治療に、試験に参加していない日本は遅れを取る可能性も」