膵臓がんセッションのハイライト
Highlights in Pancreatic Cancer

2007年全米臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウムでは、すい臓がん研究に関する画期的な発見の発表はなかったものの、準備段階ではあるが免疫療法(第2相治験)の有望な成果、さらにすい臓がんの理解・治療に係る研究の方向性を示唆する講演などが最も重要な発表だった。

ジョンホプキンスのDanielLaheru博士は、ワクチン治療の臨床試験において、 すい臓がんを外科的に切除した患者グループに6ヶ月から7ヶ月の延命効果がみられたと報告した。データの初期の検証では、化学放射線療法のみの場合と比較して、ワクチンを併用した場合、付加的な効果の可能性を示唆するものとしている。博士は、先見的な無作為第三相臨床試験によってこの試験結果の検証をするまえに、さらなるデータの検証が必要であると語った。2007年6月の全米臨床腫瘍学会において、さらなる試験データの報告が期待される。

シカゴ大学のHedy Kindler博士は、がんと白血病グループB(CALGB) によるジェムシタビンとベバシズマブ(アバスティン)対ジェムシタビンとプラセボ(GEM+bevacizumab vs GEM+placebo)の第III相比較臨床試験に関する初期的分析結果を報告した。

残念ながら、この第III相比較試験の結果は、ゲムシタビンとベバシズマブ(アバスティン)の第II相試験の転移性膵臓がん患者にみられた有望な結果を裏づけることはできなかった。

生存率に統計的な優位差はなかったが、Kindler博士はベバシズマブ(アバスティン)を使用したグループで僅かながら腫瘍の縮小率が増加したこと、高血圧、タンパク尿などの毒性が認められたと報告した。

また第II相試験と第III相比較試験の治療成績の差は患者選定によるものかとしれないと説明した。第III相試験と比較し、第II相試験では良い予後要因のある患者が多く見られた。治療結果は満足のいくものではないが、いくつかの第III相試験CALGB試験の相関研究は2007年6月の全米臨床腫瘍学会(ASCO)において発表される予定である。

膵がん研究の将来のコースを計画するにあたり、いくつかの膵臓がん第III相比較試験が失敗に終わった原因となった不十分な薬物の有効性確認、限定的な膵臓がんの複雑な腫瘍生物学の理解、奏効しない薬物、交絡因子などをさらに研究することが必要であり、これらの要因のより深い理解が膵臓がん研究を前進させるのに不可欠であると語った。
 
 アブストラクト: 米国臨床腫瘍学会(ASCO)消化器がんシンポジウム:
 
GEMと分子標的薬剤の併用療法として、 GEM+cetuximab と GEM+bevacizumabのphase III 臨床試験の結果が発表された。いずれもOS、DFSともにGEM単剤との有意差が得られなかった。
 

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