臨床試験に参加しよう(Clinical Trials)

 

 

近年、遺伝子研究の進展による分子標的薬の出現で膵臓がんを対象とする治療薬開発への期待も高まっています。 NCCNガイドライン(※)では、すべてのがん患者に対する最良の管理法は臨床試験にあるとして、臨床試験への参加を強く勧めています。臨床試験/治験に参加するメリットについては以下を参考にしてください。

 

・その分野の専門医による丁寧な治療が受けられる。

・未承認薬を使った最新の治療が受けられる。

・未承認の新薬が無料で服用できる(通常承認までは無償で)

・薬は病院の薬局窓口からではなく、別に用意されているので、長時間薬を

 受け取るために待つ必要がない。

・通常の診察とは別に定期的に検査を受けられ、細かくチェックしてもらえる

・交通費が支給される(通常1回の通院で1万円ほど)

 等々(参考:「PPHの会」)

 

 パンキャンジャパンでは2013年にこれまでの情報を集約して『日本の臨床試験』を作成しました。横断的にすい臓がんの臨床試験について紹介しています。

 

 

新しい抗がん剤及び治療方法が開発されると、まずその安全性と効果を臨床試験を行って確認します。フェーズ1(第1相試験)では安全に使用できる用量と方法を定めます。フェーズ2(第2相試験)ではフェーズ1(第1相)で定めた用量と方法を少数の人に試して、その治療効果を調べます。フェーズ3(第3相試験)では、多くの場合、ファーストライン(第一選択薬)として使われる、効果が高く、しかも副作用の少ない抗がん剤と比較して、その効果を確認します。

 

 

米国食品医薬品庁(FDA)で承認された薬剤は、日本においても早い承認が望まれます。臨床試験に参加することにより、標準治療に上積み効果が期待される最新の抗がん剤治療を受けることが可能となります。

 

がん関連の臨床試験は国立がんセンターと医療業界のさまざまな組織が支援するなか複数の施設において行われています。 臨床試験への参加を考慮されている方は、まず臨床試験を調べて、「参加者応募中」の施設のリストを準備されることをお奨めします。その上で担当医の方に相談してください。

 

 

■膵臓がん臨床試験の検索と検索方法

 

 (New) 国立がんセンターがん情報サービスのサイトでは、大学病院医療情報ネットワーク研究センター(通称:UMINセンター)、財団法人 日本医薬情報センター(JAPIC)、社団法人日本医師会 治験促進センターに登録・公開されている臨床試験に関する情報をまとめて提供しています。大変便利になりました。肝臓がん、胆道がん、膵臓がん関係の臨床試験のリストとして掲載されていますので、すべての試験が膵臓がんを対象としたものではない点に留意してください

 

 

 ●肝・胆・膵がん関係の臨床試験リスト( 国立がんセンター・がん情報サービス) を使う方法(推奨)

 

①ステップ1:膵癌を対象とした「一般募集中」の試験を探します

 

リストから「一般募集中」と書かれている、膵臓癌を対象とした試験を探します。例えば、ステージ4Bの場合、切除不能膵癌、進行膵癌を対象とした試験を探します。リストをたどると「参加者募集中」のなかから、例えば、千葉県がんセンター(TS-1+Gem)、兵庫県立粒子線医療センター(Gem+粒子線治療)などが該当するとわかります(2009年12月31日現在)。この情報は変わりますので必ずご確認ください。

 

 

②ステップ2:問合せ先電話番号、担当者名を書き出す

 

調べてみたい臨床試験が見つかった場合、次に、試験名(リンク)の欄をクリックします。詳細ページが表示されます。そのページを下にたどると、「試験問合せ窓口(Public Contact」情報が記載されています。担当者名、組織名、部署名、電話番号を控えておきます。

 

 

 ③ステップ3:参加条件を聞く、アポをとる

 

担当部署に電話して、試験について相談します。まず、「参加者募集中」とされていてもすでに終了した可能性もありますので確認します。募集中であれば参加条件について聞いてみましょう。膵臓がんと診断された時期、病期(ステージ)、治療経過を簡潔に説明できるよう、あらかじめ準備しておくとよいでしょう。

 

 

 

 

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 ■参考資料:その他の臨床試験データベース

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 ●大学病院医療情報ネットワーク研究センターUMIN)を検索する方法

 

 現在どのような臨床試験が進行しているか、また参加者募集中であるか、早速検索してみましょう。

 

   大学病院医療情報ネットワーク研究センターの試験情報検索ページ にアクセスします。

   対象疾患名」は「膵癌」あるいは「膵臓癌」と入力します。平仮名、カタカナが混じる表記名では検索されませんのでご注意ください。

   対象疾患名:「膵癌」あるいは「膵臓癌」、

   疾患区分2: がん/Cancer、

   試験進捗状況: 未選択、

   試験実施都道府県: 未選択、

   年齢: 未選択、

  性 別: 未選択、

   実施責任組織: 空けておく、

   試験のフェーズ: 空けておく、

   UMIN試験ID: 空けておく、

   試験実施地域: 空けておく、

   自由記載語:  空けておく 。

 

 

 

 ●財団法人日本医薬情報センター JAPIC臨床試験情報)を検索する方法

 

製薬企業が臨床試験を行っている抗がん剤を知るには、このサイトを参照してください。調べるには「臨床試験情報検索」のボタンをクリックし、「疾患名」に「膵癌」と入力、右下の「検索」ボタンをクリックします。

 

 

 

■米国の臨床試験

 

米国の臨床試験を調べたい方は、次の検索サービスをご利用ください。「対象疾患名」は「Pancreatic Cancer」あるいは「Pancrea」とだけ入力します。膵がんに関連し、約100近い臨床試験が表示されます。

 

●米国立がん研究所臨床試験データベース

 

●米国立衛生研究所臨床試験データベース

 

 

※ NCCNガイドラインについて

 

 1995年に、全米で代表的な20の癌センターによって形成されたNCCNNational Comprehensive Cancer Network 全米包括癌ネットワーク)は、ガイドライン策定のための組織です。NCCNのガイドラインは、診療上のあらゆる過程(スクリーニング、診断、手術、術後 補助療法、経過観察、再発の治療、緩和ケアなど)を網羅的にカバーしています。

 数
年ごとに改訂される我が国の診療ガイドラインと異なり、NCCNのガイドラインは1年に1回の改訂を原則としています。また、日進月歩の医学の進歩に呼応して、最新のエビデンスをいち早くガイドラインに取り込み、一般 臨床医や患者に広く浸透させる
ため、冊子ばかりでなく、CD-ROMやイン ターネットを介して、短期間に流布されます。

 

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膵臓がん National Advocacy Day

膵臓がんになった多くの方が、今、真摯に自分の治療に向き合っています。

 生存率を向上させ、治る病気にするためには、 

  あきらめず、これに力を与え、  

希望をつくり、良いアウトカムをもたらすことが必要です

治るがんにしていくために、多くの力が必要です。多くの関係者が生存率向上に立ち向かっています

今、あなたの力が必要です

膵臓がんをあきらめないために

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