■化学療法

 

 化学療法につかわれる薬剤は、がん細胞分裂を阻止することによりがん細胞を破壊します。抗がん剤は投与後、全身をめぐってがん細胞を攻撃する全身療法です。抗がん剤はからだ中に転移した癌に対処することができるます。化学療法は単独投与される場合もありますし、あるいは外科手術や放射線治療と併用される場合もあります。 化学療法でつかわれる薬剤(抗がん剤)は、静脈注射される場合もありますし、または錠剤で与えられることをもあります。最近では、外来で化学療法を受けられる病院・クリニックが増えてきています。治療に必要な時間は化学療法の種類にもよります。また、患者のからだの基礎能力によっては慎重に化学療法をすすめる必要から入院する必要があるかもしれません。

 

 膵臓がんの治療のために厚生労働省が認可している薬にゲムシタビン/ジェムザール(Gemcitabine /Gemzar.) があります。米国食品医薬品局(FDA) は膵臓がんの薬物治療用に3つの薬剤を承認しています。

 

   フルオロウラシル商品名, 5-FU) (fluorouracil/5-FU)

 

   ジェムシタビン(商品名,ジェムザール)(gemcitabine /Gemzar)

 

   エルロチニブ(商品名,タルセバ) (erlotinib /Tarceva.)

 

 

  米国では上記以外の抗がん剤の併用療法も随時臨床試験されています。詳しくは米国臨床試験センター をご覧ください。日本ではゲムシタビンとTS-1の併用療法の臨床試験が行われています。また、ゲムシタビンとの併用療法で有意義な生存期間延長が認められたため米国FDAが2005年11月に認可した分子標的剤エルロチニブ(タルセバ)は、経口剤で患者の負担も少ないことから日本における早期承認が望まれます。

 

 抗がん剤は、投与後血液中に入り、全身をめぐって体内のがん細胞を攻撃し、破壊します。どこにがん細胞があっても、それを壊滅させる力を持っているので、全身的な効果があります。がんは全身病と呼ばれるように、早期にはある部位に限定している局所の病巣が、次第に全身に拡がって(転移)、全身的な病気になります。主ながんの治療法のうち、外科療法と放射線療法は局所的ながんの治療には強力なのですが、放射線を全身に照射することは、副作用が強すぎて不可能ですし、全身に散らばったがん細胞すべてを、手術でとり出すことはできません。化学療法は全身くまなく治療できる点でより適した治療法といえます。

 

 

 参考資料:

 

■米国の抗がん剤治療: NCCN膵腺癌ガイドライン2009から抜粋

NCCN PDCA guideline panel member: Pancreatic Cancer Action Network, Michelle Duff, PhD

 

・ゲムシタビン1000mg/m2 の30分注入を週1回3週間、28日サイクルで継続するレジメンは、転移性疾患の標準的なファーストライン化学療法と認められる(カテゴリー1)。
・固定用量注入法 (FDR)ゲムシタビン(10mg/m2/minute)は、標準のゲムシタビンの30分注入法の代替として考慮してもよい(カテゴリー2B)。
・ゲムシタビン多剤併用療法は、身体状態が良好な患者に対して無増悪期間の延長もしくは生存率(全生存率あるいは1年生存率)の向上に好ましい影響が認められた、または好ましい影響が認められる可能性がある。
▶ゲムシタビン+エルロチニブ1
▶ゲムシタビン+シスプラチン2
▶ゲムシタビン+フッ化ピリミジン2,3
・ゲムシタビン治療を受けていない患者のセカンドライン治療には、ゲムシタビンを加えることができる。他の選択肢としては、カペシタビン4(1000mg/m21日2回経口、第1日ー第14日、21日サイクル)またはFOLFOX5(フルオロウラシル・フォリン酸・オキサリプラチンの3剤併用療法)またはCapeOx6(カペシタビン+オキサリプラチンの2剤併用療法) がある(すべてカテゴリー2B)。

 

<この情報は米国PanCANで作成されています。日本の状況とは異なる点もあります。それらについては担当医にご相談下さい。日本語版はPanCANJapanの責任で翻訳、提供しています。無断転載禁止 >

 

 

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