■患者さん中心の疼痛医療のために
7月11日~12日の期間、東京高輪において、ヤンセンファーマ主催の「CNS and Clinical Oncology Forum 2009」が開催された。両親をがんで亡くした経験をもつ、日本テレビ報道局社会部の町亜聖氏の司会による特別セッション「患者さん中心の疼痛医療のために」では、パネリストの愛知医科大学乳腺内分泌外科の福富隆志教授が、「がん患者の3割しか医療麻薬を処方されていない。患者の多くは、痛みの原因ががんかどうかがわからなかったため、主治医に痛みを伝えていなかった」という調査結果を報告した。日本における医療用麻薬の使用量は欧米諸国に比べて非常に少なく、我慢強い国民性のためだと誤解されている。しかし、痛みを我慢してしまうと、より多くの薬の投与が必要となるため、QOLの低下が懸念されている。