■お酒と膵臓がん
Alcohol intake and pancreatic cancer risk: a pooled analysis of fourteen cohort studies.
アルコールの発がんリスクについては、消化器系のがんで相関性が認められてきましたが、膵臓がんに関しては、疫学的な調査結果で一貫性のある結果が得られてきませんでした。今回、米国で疫学調査約86万人分のデータを解析した結果、「1 日2杯以上のお酒を飲む人が膵臓がんにかかるリスクは、飲まない人よりも22%増加する」ことが認められました。また、飲酒量が増えると発がんリスクも増加するとハーバード大学公衆衛生院のStephanie Smith-Warner氏のグループが発表しました。
米国心臓協会(AHA)のガイドラインでは、男性は1日2杯以下、女性は1杯以下が適量となっています。お酒1杯は、ビールなら360ml (缶ビール2本)、ワインは120ml、80度の蒸留酒であれば45mlと定義されています。しかし、2杯は適度な飲酒量とはいいがたいとジョージタウン大学病院のJeanine M. Genkinger氏は警告しています。結論から言うと、過度な飲酒は決して安全ではないということです。
何が安全な量かはその人のリスク・プロフィールによるため、毎日1杯までは安全とも言えないとジョンズホプキンス大学のElizabeth A. Platz,氏は説明します。