Abstract#180

 

著者:G. R. Oliver, E. Sugar, D. Laheru, L. A. Diaz; Johns Hopkins University Hospital, Baltimore, MD; Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD ジョンズホプキンス大学医学部

 

背景:転移性膵がんは平均生存期間が6カ月と均一的に致命的ながんである。少数の患者では標準的な化学療法が奏功し生存期間に延長がみられるが、このサブグループを識別するマーカーはいまだに不明である。

 

方法: 進行性膵がん患者の長期生存率を分析するために、一施設の患者を対象とし、レトロスペクティブ研究による治療成績が調査された。人口統計データ、治療歴、がんの家族歴に調査の重点が置かれたこの研究では、進行性膵がん患者群の均一性を保障するために、局所的治療(外科療法あるいは放射線療法)をうけた患者は除外された。

 

結果: 468人の進行性膵がん患者が分析された。平均生存期間は6.6カ月で、アフリカ系人種とがん家族歴無しは、生存期間に重要なネガティブな影響を与える因子であった。また、いかなるがんの家族歴であろうとも家族歴は患者の生存期間延長に著しく寄与していた。この延命効果は、がんの家族歴のある患者がプラチナ製剤の化学療法をうけたときにみられた。(6.5カ月 vs 10.6カ月 [HR] 0.58, CI 0.420.79; p0.01)) プラチナ製剤を含む治療による延命効果は、膵がん、卵巣がん、乳がんの家族歴のある患者に顕著にみられたが、家族歴が膵がんに限定された患者群の生存期間に最も大きな影響がみられた。(6.3か月 vs 22.9か月 [HR] 0.34, 95% CI 0.150.74; p0.01))プラチナ製剤を含む化学療法への感受性は、患者により報告された家族の乳がん、卵巣がん、あるいは膵がん体験者の有無と強く相関した。それとは対照的にがんの家族歴がない患者群では、プラチナ製剤を使った療法による延命効果は見られなかった。

 

結論:多数の進行性膵がん患者には、乳がん、卵巣がん、あるいは膵がんの家族歴がみられる。これらの患者は、プラチナ製剤による治療による延命効果が期待できる可能性がある。

 

がん家族歴

Present

Not Present

Difference

HR

P value

がん全般(乳がん、卵巣がん、膵がんを含む)

10.6ヵ月

6.5ヵ月

4.1ヵ月

0.58

P<0.01

膵がんのみ

22.9ヵ月

6.3ヵ月

16.6ヵ月

0.34

P<0.01

 

 

 

 

 

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