PancanAward2013Uchida2013年10月3日 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器肝臓内科学 内田大輔


膵臓癌は、「癌の王様」と呼ばれるほど、悪性度が高く予後の悪い癌です。様々な膵癌治療が開発され、徐々に光明が見え始めてはいますが、特に進行膵癌においては、いまだ長期予後獲得と言える結果は得られていません。私は、研究を始める以前には、一般臨床病院で消化器内科医として、数多くの膵癌患者の診療に携わってきました。しかし膵癌の難治性に対して幾度となく無力感を覚え、自ら膵臓癌の新規治療開発に関わりたいと考えました。そこで、2012年より岡山大学で膵癌を含む消化器癌の新規治療開発の基盤研究を行っています。


我々が研究を進めているREIC/Dkk-3遺伝子は、当大学において発見された新規癌治療遺伝子であり、アデノウィルスベクターを用いて遺伝子導入することで、癌細胞特異的な細胞死誘導効果、腫瘍免疫誘導による抗腫瘍効果を示すことがわかりました。ほぼ全ての固形癌で効果が期待されており、泌尿器癌においては、すでに臨床試験も始まっています。膵臓癌においても、治療効果が期待できる研究結果が得られてきています。膵癌細胞を用いた実験では、REIC遺伝子導入により、他の癌腫同様に著明な細胞死誘導効果を認め、ヌードマウスを用いた動物実験モデルにおいても有意な腫瘍縮小効果が得られました。腫瘍免疫を誘導することでさらにこの効果を増強することができると考えており、現在実験を進めております。


この度は、私達の研究に対して、Young Investigator Awardという形で評価頂いたことを厚く感謝申し上げます。このような賞を頂けることは、若手研究者にとって良いモチベーションとなります。臨床応用への道程は長いですが、我々の研究成果により膵癌が克服できるよう、日々邁進していきたいと思います。

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