CAPTEMを保険償還するために関連企業とも相談してきましたが後発医薬品が市場にでている環境では、承認に必要とされる日本人のデータを提出するために治験を行うなどの動きにはなりませんでした。そこで、2015年5月、ドラッグラグ問題の早期解消を求める患者・家族の思いをこめた3万以上の署名を塩崎恭久厚生労働大臣に手渡しました。その後、厚生労働省医薬食品局審査課を始め省内の関係者との協議を重ねてきました。新しい制度として患者申出療養制度、さらに拡大治験(欧米ではコンパショネートユース制度と言われる)などが次々と提案され、制度化されていきました。しかし、すでに治療の安全性、有効性に関してエビデンスがあり、米国NCCN診療ガイドラインにも掲載されているが、FDA承認されていないジェネリック医薬品の適応外使用にかんしては、現行の厚生労働省のシステムでは光があたらないという問題が以前として残りました。カペシタビン+テモゾロミド(CAPTEM)のようにすでにジェネリック(後発医薬品)が発売されている薬剤の併用療法については、製薬企業に治験をすすめるインセンティブがなく、ドラッグラグ問題がいつまでも解決されないので、以前から検討されてきた米国のコンペンディアム方式が参考になるのではと提案させていただきました。しかし、協議を重ねた結果、ジェネリックのドラッグラム問題を解決するには、現行システムの活用で迅速に解決できるとのことでしたので、その示唆に従い今回「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にCAPTEMの要望書を提出する運びとなりました。
カペシタビンとテモゾロミドの未承認薬・適応外薬検討会議提出用の資料は、国立がん研究センター奥坂拓志先生、高橋秀明先生、池田公史先生、森実千種先生のご尽力により作成されました。また、提出にあたりましては、日本膵臓学会の古瀬純司先生、日本神経内分泌腫瘍研究会の今村正之先生に格別なご配慮をいただきましたことご報告させていただきます。
次回の次回の未承認薬適応外薬検討会議は、8月3日15時から予定されています。
参考資料:提出資料一式