パンキャンでは、最適な治療を選ぶために、膵臓がん患者には腫瘍の分子プロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)を強く勧めています。
分子プロファイリングとは、遺伝的変異やタンパク質の変化など、腫瘍の生物学的な特徴を洗い出す科学的な検査方法です。 この情報を検討することが重要です。なぜなら、ある人には有効な治療法でも他の人にとってうまくいかない可能性があるからです。 分子プロファイリング(がん遺伝子パネル検査)はプレシジョンメディシンをガイドするためのツールであり、個別化医療のベースとも呼ばれます。
■がん遺伝子パネル検査とプレシジョンメディシン(ゲノム医療)について知っておくべき5つのポイント:
1.がん研究によると、患者の腫瘍の生物学的特徴に基づいた治療は、成功する確率が高い。
2.既に手術や生検を受けている場合は、採取した組織のサンプルをもとにしてがん遺伝子パネル検査をすることができる。
3.がん遺伝子パネル検査は、医療チームがあなたに最適な臨床試験を探すのに役立つ。
4.がん遺伝子パネル検査は、そうでなければ考慮されないであろう治療、臨床試験に対して受容性があり得る遺伝子変異およびタンパク質変化を明らかにできる。
5.分子標的薬を含め、適応外薬の医薬品による治療も含まれる。例えば、別の部位のがんを治療するために承認された医薬品など。分子標的薬は、特定の遺伝子変異やタンパク質のようながん細胞の独特の側面を攻撃する特性を持っている。
■細胞の遺伝子変異について
細胞の遺伝的変異は、2つの方法で起こることを知る必要がある。ひとつは、親から継承された突然変異(生殖系列突然変異として知られる)である。家族性膵臓がんはこのタイプ。注意しなければならないのは、すべての体細胞には共通の遺伝子変異があること。従って、他のがんにもかかりやすい可能性があること。よく知られているのは、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)。BRCA遺伝子変異陽性の人は乳がん、卵巣がんだけでなく、膵臓がんにもかかりやすことが知られている。
もうひとつは、さまざまな理由から生存中に生じ得る(体細胞突然変異として知られる)もの。 例えば、タバコ、化学物質、アルコール、細菌感染、若年性肥満、慢性膵炎など。ほとんどの癌はこのタイプの体細胞突然変異から生じる。両方のタイプの突然変異を調べることは、プレシジョンメディシンの治療選択肢を導くために重要である。
アメリカパンキャン本部が進める「Know Your Tumorプロジェクト」に関連してパンキャン本部の遺伝子解析サービスは、アメリカ全国にいる膵臓がん患者にがん遺伝子パネル検査に参加する機会を提供し、術後などの生検組織がある患者の検査費用をカバーしている。2015年からスタートして、すでに1000名以上の膵臓がん患者の検体が分子プロファイリング検査されている(2019年現在)
■分子プロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)
がん遺伝子パネル検査に関連するサービスが遅れている日本国内において、パンキャンジャパンでは、アメリカと同じように希望者には分子プロファイリング検査が無料で受けられるよう準備を進めてきましたが、パンキャン本部が使用している米国のラボに検体を送付しなければならないため無償では難しい状況です。パンキャン本部が進めるがん遺伝子パネル検査(自費診療)に興味のある方は、ニュースがありましたら送付させていただきますので、こちらから登録ください
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作成:2017年3月23日 更新:2023年1月3日