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海外ニュース:米国医薬食品局(FDA)は膵臓神経内分泌腫瘍に対する核医薬品ルタテラ(Lutathera®)を承認

2018年1月26日

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、ソマトスタチン受容体を発現する膵神経内分泌腫瘍(PNET)を含む消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)の治療のためのルテチウム-177標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)注射液(商品名ルタセラLutathera®)を承認した。欧州28か国では昨年2017年10月3日にすでに承認されていた。

膵神経内分泌腫瘍(PNET)はすべての膵臓癌診断の約6%を占め、症例の大部分はソマトスタチン受容体を発現する。 ルタセラは、より一般的な形態の膵臓癌、腺癌を有する患者に対して承認されておらず、有効であることも示されていないことに注意するが必要。

ルタテラは、ソマトスタチン類似体として知られる薬物の一種である。ソマトスタチンは、ソマトスタチン受容体に結合して活性化するホルモンであり、他のホルモンの産生および放出に影響を与える。ソマトスタチン類似体は、受容体に結合して他のホルモンレベルを変化させることによって癌細胞を騙し、疾患の症状のいくつかを緩和し、癌細胞の増殖を遅らせる可能性がある。 2つのソマトスタチン類似体(オクトレオチドおよびランレオチド)は、PNET患者の治療レジメンとしてすでに承認されている。ルタテラはペプチド受容体放射性核種療法(Peptide Receptor Radionucleid Therapy:PRRT)に使われ、その劇的な効果からNew England Journal of Medicineにて紹介された。

「PRRT療法は、がん細胞に放射能を直接送達することによって作用し、治療の細胞死滅能力を高める」と米国パンキャン本部の臨床プロジェクト担当副社長であるキャサディーモロベック博士(Cassadie Moravek)は語った。 「実際に、臨床試験でルタセラを投与された患者は、オクトレオチド単独で治療された患者と比較して、疾患の進行または死亡リスクが79%低下しました。」

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)は、進行性ソマトスタチン受容体陽性膵・消化管神経内分泌腫瘍患者を対象とした核医学治療薬であるルテチウム177ドタテート(lutetium-177 dotatate)(商品名 ルタテラ Lutathera®)の有効性と安全性を評価するNETTER-1第三相試験結果を発表した。

この研究では、主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)であった。二次エンドポイントには、客観的奏効率(ORR)、全生存期間、安全性、耐容性が含まれていた。 NETTER-1試験では、ルタテラ治療が、高用量(60mg)のオクトレオチドLAR治療と比較して、疾患の進行リスクを統計学的に有意に79%減少させた。ハザード比は、0.21(95%信頼区間:0.13-0.33; p <0.0001)であった。 20か月の推定PFSは、ルタセラ群で65.2%(95%Confidence Interval:50.0-76.8)、コントロール群では10.8%(95%Confidence Interval:3.5-23.0)であった。 PFSの中央値はコントロール群で8.4ヶ月、ルタセラ群ではまだ達成されていなかった。

層別因子および予後因子とは無関係に、ルタテラに伴う有意な治療効果が観察された。この疾患における他の全身療法を調査した大規模な無作為比較試験では、5%を超える応答率は観察されなかったことから、ルタテラ群の18%の応答率は顕著である。オクトレオチドの応答率 3%であった。この試験では、全生存期間の中央値を計算することができる時点に達していないが、暫定分析は全体的な生存期間の改善を示唆している。重要なことに、腎保護剤と同時に投与したルタテラは、3〜4回の血液学的毒性率が低く、試験期間(追跡期間中央値 14ヶ月)にわたって腎毒性の兆候は認められなかった。

PRRT療法に関する詳しい情報については、下記を参照ください

●横浜市立大学附属病院

https://medicalnote.jp/contents/160927-003-XM

●富士フィルムRIファーマ株式会社

http://fri.fujifilm.co.jp/information/detail/150622.html

●日本核医学会

http://www.jsnm.org/archives/782/

●核医学診療推進国民会議

http://www.ncnmt.jp/

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