国内ニュース:ナノナイフ治療法の早期承認に関する要望書を厚労省に提出

MHLW nanoknife

2018年2月6日

 

背景:化学療法の進歩により、進行がんの1年生存率は改善されたものの、いずれの抗がん剤も十分ではなく、他のがんに比べ薬物療法の治療選択肢が少ない状況が続いています。根治につながる治療の第一選択肢は依然として外科的手術ですが、切除可能な症例は2割程度と少なく、本来、遠隔転移のない手術適応の患者でも、膵臓の周りにある動脈(腹腔動脈、上腸間膜動脈や総肝動脈)にがんが及ぶと手術でがんを取り除くことが難しく、手術不可となります。また、切除不能な局所進行がんの標準療法である化学放射線療法での対応も非常に難しくなります。

 

 いま、この切除不能、局所進行膵臓がん患者を対象とした新しい治療法、不可逆電気穿孔(IRE)治療(商品名:ナノナイフ(NanoKnife®))が注目されています。この治療法は、開腹手術を必要としない低浸潤な治療であることから、からだへの負担がかけられない高齢者にもやさしい治療法と言われています。膵臓がんを対象とした臨床試験が米国で進められていますが、日本でも医師主導型臨床研究として行われており、Preliminaryな治療結果ではありますがLocalControlRate(CR+PR+SD) 74%と著効な成績が2017年第48回日本膵臓学会にて発表されました。

 

 第3期がん対策推進基本計画では、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、癌の克服を目指す」ことを目標とし、手術療法の取り組むべき施策では、国は「体への負担の少ない手術療法や侵襲性の低い治療法を普及させる。また、安全かつ新たな治療法に資する医療機器の開発を推進する」としています。5年生存率が過去40年間一桁台の膵臓がんでは、より奏効する治療法の研究開発がいま求められています。


場所:  厚生労働省医薬・生活衛生局

要件:  膵臓がんの不可逆電気穿孔(IRE)治療法に関する要望活動 報告書

要望者: 特定非営利活動法人パンキャンジャパン理事長      眞島 喜幸
                         膵臓がん患者 岡島  敬
                           患者家族 岡島 真樹
                           患者家族 岡島  響

対応者: 厚生労働省 医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課
               医療機器審査調整官 博士(薬学) 近藤  昌夫
               再生医療等製品審査管理室 室長  柳沼  宏 
               先進医療機器審査調査官      藤野  綾太

 

 

要望内容: 眞島理事長・患者岡島より 新たな治療を待ち望む全国の膵臓がん患者のために、特に切除不能な局所進行とされ、限られた治療の選択肢しかない患者のための有効な治療選択肢として期待される不可逆電気穿孔(IRE)治療の臨床試験の拡充、医療器承認、先進医療承認、保険償還を要望しました。

 

 

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