PanCAN 5 Yr Srv 10

 膵臓がんの5年生存率10%へ到達!

米国パンキャン本部の「生存率倍増計画Double Survival」目標達成!

2020年1月5日

本日発表された米国がん協会(American Cancer Society:ACS)の2020年度がん統計レポート(Facts&Figures)により、膵臓がんの5年生存率は10%*に達したと報告されました。※1

「アメリカのパンキャン本部(PanCAN)が主導権を握り、2020年までに膵臓がんの生存率を2倍にするという野心的な目標を設定したことを非常に誇りに思っています。PanCAN本部「膵臓がんアクションネットワーク(Pancreatic Cancer Action Network)」の社長兼CEOであるジュリーフレッシュマン氏は次のように述べています。「PanCAN本部は、2011年に2020年までに膵臓癌の生存率を2倍にするという目標を設定しました。当時、5年生存率はわずか5%でした。」「膵臓がんの研究者、医療従事者、ボランティア、支持者のコミュニティ全体が2020年の目標を中心に結集し、世界で最も困難な癌に対する進歩を加速するために協力しました。私たちはコミュニティによる献身的で熱心な努力に感謝しています」

生存率の改善は非常に重要です。というのも、ACSのFacts&Figuresレポートでは、これまでよりも多くの人が膵臓がんと診断される事実が明らかになっているためです。2020年には、推定57,600人のアメリカ人が膵臓がんと診断されます。今年、約47,050人のアメリカ人がこの病気で死亡すると予想されています。膵臓がんは、米国では11番目に最も一般的に診断されているがんですが、がん関連死の3番目の主要な原因です。

「これらの新しい統計は、この病気と社会への脅威に研究、資金、注意を集中し続けることの緊急性を強調しています」とフレッシュマン氏は言いました。1999年の創立以来、PanCAN本部はあらゆる面で膵臓がんを攻撃するための包括的なアプローチをとってきました。それはがん研究の促進、臨床試験のイニシアチブ、患者サービス、そして研究予算確保のための政策提言活動です。「膵臓がんの生存率が10%に上昇するのを見ることが、私たちの戦略が機能している証拠です」と、フレッシュマン氏は言います。

「生存率を2倍にするという目標を宣言したことから、がん研究と患者を直接支援する革新的なプログラムとサービスを導入するために重要な措置を講じてきました。」 主な例は、患者のがん細胞の遺伝子的な特徴が治療選択肢の決定とその治療結果に影響するかどうかを判断するために2014年に開始された「あなたのがんを知ろう(Know YourTumor®:KYT)」プロジェクトとゲノム医療に関連する患者サービスです。フレッシュマン氏は、「膵臓がん患者のがん細胞遺伝子検査を進めるKYTプロジェクトは、当時、臨床的に有用な情報が得られないという、科学者および医学関係者からの懐疑的な反対意見に会いました」と回想した。膵臓がんに多くみられる遺伝子変異であるKRAS、P53、CDKN2A、SMAD4などに有効な治療薬が存在しなかったことも影響しました。

今日、がん遺伝子パネル検査の結果をまとめたKnow Your Tumor(KYT)レポートを受け取る4人に1人の患者には「アクショナブルな遺伝子変異」が見つかることがわかってきました。つまり、その患者の治療選択肢に影響を与える可能性のあるがん遺伝子変異、それに対応する治療選択肢、さらに治療の結果についてPanCAN本部は継続的に調べています。KYTプロジェクトが有効であるというさらなる証拠は、がん細胞の生物学的特性とそれにマッチした治療を受けた患者には、より良い治療成績(OSとPFS)がもたらされていることです。

実際、分子標的療法であるオラパリブ(商品名:リンパルザLynparza®)は、12月下旬に米国医薬食品局(FDA)の承認を受けて、膵臓がん患者のサブセットでBRCA突然変異が原因で発生したがんの治療に使用されました。患者は、適切なゲノム検査(Germline Test)を受けることなくしては、オラパリブまたは他の特定の分子標的薬による治療を受ける資格があるかどうかはわかりません。

「今日、これらのがん遺伝子パネル検査は標準的な医療行為であり、NCCN、ASCOのような主要な臨床ガイドラインで推奨されています。それはPanCAN本部により公表されたKYTプロジェクトに参加し、ゲノム医療を受けた患者の有望な治療結果と、このKYTという最先端のイニシアチブを立ち上げ、一部の医師の反対意見もあるなか、失敗するリスクを冒してKYTプロジェクトを進めた強い意志のおかげでもあります」とフレッシュマン氏は言いました。さらに、PanCAN本部は膵臓がんの生存率を2倍にするという目標を宣言したことから、膵臓がん患者に役立つ9つもの新しい治療選択肢が生まれました。

これらの治療の進歩は、臨床試験に参加した患者のお陰により可能になりました。毎年1月は「膵臓がん臨床試験啓発月間」です。 PanCAN本部では、診断時、すべての治療決定時、および通年で臨床試験を強く推奨しています。患者、介護者、医療従事者は、PanCANの患者相談窓口(Patient Central)を通じて個人向けの臨床試験情報を受け取ることができます。PanCAN本部は、米国で利用可能な膵臓がん臨床試験の最も包括的かつ最新のデータベースを維持しています。これらの情報はアメリカ政府が運営する臨床試験データベースであるClinincalTrials.govのサブセットです。

5年間の生存率を計算するために、NCIのSEERチームは2016年までの治療を受けた患者を追跡調査したことに注意することが重要です。したがって、今年の5年生存率の計算には、最近の進歩と新たに承認された治療オプションの影響が反映されていません。

「2020年までに生存率を2倍にするという目標を達成しました」とフレッシュマン氏は言いました。 「これにより、PanCANのプレシジョン・プロミス(Precision Promise)というアダプティブデザインによる臨床試験プロジェクトや治療オプションの改善や効果的な早期発見戦略への取り組みなど、新しいイニシアチブの進展が加速するため、今後10年間のイニシアチブの準備が進みます。」 代表は続けます。「思いやりのあるドナーの寛大さがなければ、これらの進歩のどれも不可能でした。継続的な寄付があれば、膵臓がん患者にとって次の10年がどうなるか想像してみてください。」

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編集注:米国では患者登録中の臨床試験が402本あり、特にゲノム医療を含め患者の治療選択肢として重要な役割を担っています。しかし、日本では登録中の試験が僅か9本しかありません。そのため、膵臓がんと診断された日本の患者は、選択オプションのひとつとして臨床試験を紹介されることがありません。予後の厳しい膵臓がんだからこそ、治療の選択肢を増やすことが大切です。膵臓がん患者、家族を代表するPanCANとして、この状況に満足することはできません。この日本の状況を打破するために、「改善を要求しよう(DemandBetter)」活動を進めていきますので、ご協力のほどお願いいたします。

膵臓がん患者の予後を改善するために、パンキャンの活動への継続的なご支援、ご協力をお願いいたします。

Source:

https://www.cancer.org/research/cancer-facts-statistics/all-cancer-facts-figures/cancer-facts-figures-2020.html

 

#PanCAN #パンキャン #pancreaticcancer #パンキャンジャパン #眞島喜幸

 

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