【パンキャンTV】膵臓がんMeet The Expertシリーズー膵がん治療の最前線
『 パンキャンTV(PanCAN TV) 膵臓がんMeet The Expert シリーズ 膵がん治療の最前線』
国立がん研究センター東病院の先生方による「膵臓がんMeet The Expertシリーズ」は、患者さんとご家族が知っておくと得する『膵臓がんの医療知識』をまとめた基礎講座です。全部で6つの講座から構成されています。下記のサムネイルをクリックしますと視聴することができます。
『 パンキャンTV(PanCAN TV) 膵臓がんMeet The Expert シリーズ 膵がん治療の最前線』
国立がん研究センター東病院の先生方による「膵臓がんMeet The Expertシリーズ」は、患者さんとご家族が知っておくと得する『膵臓がんの医療知識』をまとめた基礎講座です。全部で6つの講座から構成されています。下記のサムネイルをクリックしますと視聴することができます。
~アクセスラグ問題の解決に向けて~
難治性がんの代表である膵臓がん患者には、がんの増殖を抑えるためにも、より奏功する治療薬が必要です。患者のがん細胞の特徴にマッチした治療薬を使うゲノム医療は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の発表では、通常の標準治療よりも予後が大幅に改善されることがわかりました。その結果、米国の膵臓がん診療ガイドラインであるNCCNガイドラインは、2019年4月に改訂となり、膵臓がん診断時に生殖細胞系遺伝子検査(Germline Test)が全員に推奨されました。また、転移性膵臓がん患者には、診断時に「がん遺伝子パネル検査」が推奨されました。日本でも米国でも膵臓がんで承認されているゲノム医療の薬剤の数は同じですが、日本の膵臓がん患者は、その膵臓がんで承認された薬剤があるにもかかわらず、パネル検査が受けられないために使えない、アクセスできない、「アクセスラグ問題」が発生しています。
パンキャンジャパンでは、いま闘病中の患者さんを助けるために、NCCNガイドライン同様に、日本の膵臓がん患者は、遺伝子パネル検査が受けられるように厚生労働省に要望し、承認薬が使えるように現体制の整備を要望いたします。また、遺伝子変異にマッチした治療薬で他のがんで使われている薬剤(膵臓がんには適応外薬)も使えるように、受け皿試験を増やすための臨床試験体制の整備も要望したいと考えています。
臨床試験に光をあてるシリーズ その2
著者:アリソン・ローゼンベルグ
2020年1月16日
🔳病院の待合室にいる膵臓がん患者が臨床試験に参加する
編集者注:1月は膵臓がんの臨床試験啓発月間です。「臨床試験に光をあてる」シリーズを特集しています。臨床試験についての理解を深めることで、臨床試験が患者にとり、どのように利益をもたらすかについて学びましょう。この記事では、自分自身と将来の患者にとって、臨床研究への患者の参加の重要性に焦点を当てています。
臨床試験がなければ、また膵臓がん患者さんが臨床試験に参加しなければ、膵臓がんのような厳しい疾患を治療するために承認された数々の医薬品も生まれませんでした。臨床研究に参加する膵臓がん患者は、標準治療より良い効果が期待される治療を受け、予後が改善される可能性があります。今日利用可能なすべての治療は、臨床試験を通じて承認されてきました。膵臓がん患者会である米国パンキャン本部(PanCAN)では、膵臓がんのNCCNガイドラインで推薦されているように、診断時およびすべての治療を決定する際に臨床試験への参加を考慮するように強く推奨しています。
🔳臨床試験で最先端治療を受ける
膵臓がんとの闘いにおいて、臨床試験はしばしば最良の治療オプションを提供し、患者はがん研究の進歩の果実である新薬、改善された治療オプション、およびより良い予後につながる可能性がある最先端の治療に早期にアクセスすることができます。
すべての臨床試験参加者に対して、主要な医療施設で一流の医師と看護師によるケアが提供されます。患者は、他の方法では利用できない新しい実験的治療または治療の組み合わせにアクセスすることができる可能性があります。
実験的治療が初めて患者でテストされる場合でも、患者の安全を確保し、理解を得るための措置が講じられています。患者はインフォームドコンセント(IC)について説明され、同意してはじめて参加することができます。つまり、受ける治療法、予想される副作用など、臨床試験の詳細が事前に説明されます。新しい実験的治療(他のがんで承認された医薬品のない)または薬剤の組み合わせが今日の患者に効果的であるかどうかを見つけることは、将来の患者にも非常に役立つ可能性があります。
🔳臨床試験で標準治療を受ける
臨床試験のデザインによっては、一部の参加者は、実験的な治療または組み合わせではなく、標準的なケアを受ける場合があります。これは、治験担当医師が実験的治療の有効性と安全性を、同様の特性を持つ患者のグループの標準的な治療オプションと直接比較できるようにするために必要です。
患者とその医療チームは、自分がどの治療を受けているか、また実験的治療か標準治療かを知っている場合と知らない場合があります。
患者が臨床試験を通じて標準治療オプションを受け取るとき、それらは実験的治療を受けている患者と同じくらい厳密に監視されます。臨床試験に参加している患者は、試験外の患者よりも注意深く監視される場合があります。
また、臨床試験を実施する医療専門家や施設は、膵臓癌患者の治療にかなりの経験を持っていることが多く、最先端のケアを提供しています。
場合によっては、支持療法が患者に提供されない臨床試験の一部として含まれ、生活の質(QOL)を向上させ、治療への耐性を高める可能性があります。
新しい治療法が将来膵臓癌患者に利益をもたらす可能性は、臨床試験の参加者、つまり実験的治療を受けた人と試験内で標準的なケアを受けた人の両方にかかっています。
🔳臨床試験を見つける方法
パンキャンがお手伝いします。
私たちは、米国で利用可能な膵臓がん臨床試験の最も包括的で最新のデータベースを維持しています。特定のニーズに一致する利用可能な臨床試験に関するこの無料の情報にアクセスする方法は2つあります。
①米国パンキャン本部のペイシェントセントラルに連絡する:ペイシェントセントラルは臨床試験のデータベースに検索をかけ、患者が必要としているものに一致する臨床試験の個別化された試験リストを提供することができます。あなたが提供する情報、たとえば臨床試験を行っている施設までの移動時間・移動距離、診断、治療歴、病理などのデータに基づいて検索が行われます。
米国パンキャン本部で進められている臨床研究 あなたのがんを知ろうKnow YourTumor®プレシジョンメディシンサービスに登録して、がんの遺伝子変異の特徴が臨床試験などの治療オプションに影響を与えるかどうかを確認できます。
②臨床試験検索エンジン(Clinical Trial Finder)を介して独自の検索を開始することもできます。この無料の使いやすいオンラインツールに情報を入力して、必要な条件に一致する臨床試験のリストを取得することができます。関心のある試験を選択して、米国パンキャン本部のPatient Centralに追加情報を要求することもできます。
編集注:日本では、国立がん研究センター情報サービスにおいて、「がんの臨床試験を探す チャットで検索」があります。Google検索に慣れた方であれば使いこなすことができると思いますので、トライしてみてください。https://ct.ganjoho.jp/bot/search
編集注:パンキャンジャパンは、臨床試験情報を検索するサービスを提供しています。患者さん、ご家族から提供される情報を基にして日本の臨床試験データベースを検索し必要な情報を電話にて提供することもできます。また、臨床試験・治験に関する質問があればお答えすることができます。患者さんとご家族は、その情報をもとにして担当医、医療チームと話し合い、臨床試験が適切な選択肢かどうかを判断することができます。
がんゲノム検査(分子プロファイリング)について聞いたことがありますか? がんにどのような遺伝子の変異が存在するかを判断するための検査です。膵臓がんには多数のがん遺伝子変異が見つかっており、その多く(KRAS,TP53,CDKN2A(p16),SMAD4,BRCA1/2,ALK,NTRKなど)は他の癌にも見られる遺伝子変異です。あなたの膵臓がんに、もし他のがんで使われている治療が対象とする遺伝子変異が見つかれば、それで治療できるかもしれません。
米国パンキャン本部の調査では、回答者の約半数しかいまだにがんゲノム検査を受けていないことがわかりました。しかし、がんゲノム検査を受けた患者の半数に、治療の決定に影響を与える遺伝子変異が見つかっており、他のがんで使われている分子標的薬などによる治療、臨床試験への参加が可能となります。
Sohei Satoi, MD, PhD, Kansai Medical University
腹膜播種のS-1+パクリタキセルの併用療法
パンキャンジャパンでは、これまでのセミナーで「腹膜播種と治療法」についての講演も行っています。ビデオ等での講演の視聴のご希望の方は、以下をご参照ください。
■『[ビデオ講座④]『腹膜播種(ふくまくはしゅ)の対処療法 』
里井 壯平 先生 (関西医科大学 外科学講座)
http://blog.canpan.info/pancan/archive/15
スウェーデン、ルンド - 膵臓がん診断企業であるImmunovia(IMMNOV:ナスダック・ストックホルム)は本日、次世代膵臓がん検査のVERIFI試験で良好な結果が得られたことを発表しました。これにより、膵臓がん血液検査の商業的発売に向けた同社の立場が強化されます。
Immunovia社の次世代検査では、膵臓がんの一般的なバイオマーカーであるCA19-9よりもはるかに多くの癌が検出されました。また、同社は、VERIFI試験における同社検査の特異性がCA19-9と同等であり、試験の目標特異性値にわずかに及ばなかったことも発表しました。
「Immunoviaの検査は、VERIFI試験において、がん性および非がん性の血液サンプルを正確に分類しました」と、ImmunoviaのCEOであるジェフ・ボルチャーディング氏は述べました。「この検査は、CA19-9を再び大幅に上回る結果を出しました。さらに、CLARITI試験とVERIFI試験の統合結果から、当社の次世代検査が、複数の異なる高リスクグループにおいて、膵臓がんを正確に検出できることが明らかになりました。
VERIFIは主要評価項目を達成しました。2025年3月19日、ImmunoviaはVERIFI試験が主要評価項目を達成したと発表しました。この試験では、ステージIおよびステージIIの膵臓がん症例の77%を検出することに成功し、目標値の65%を大きく上回りました。この感度はCA19-9の感度69%を大幅に上回るものでした。
統合データでは、複数の高リスク患者グループ全体で高い精度が示されました。検証研究であるVERIFIとCLARITIの統合データにより、さまざまな理由で高リスクとされる患者グループ全体における検査の性能について、強固な分析が可能になります。Immunoviaの次世代検査は、膵臓がんの家族歴や遺伝子変異によるリスク、糖尿病患者、膵嚢胞を持つ人々など、主要な高リスクグループ全体で、優れた一貫した感度と特異性を示しました。
リスクグループ 症例 対照 感度 特異度
全体 317 1,134 78% 92%
家族性/遺伝性 71 922 78% 94%
糖尿病 128 105 80% 90%
膵嚢胞 79 426 72% 89%
「CLARIFIとVERIFIの複合的な検査性能データは、Immunoviaにとって重要なマイルストーンです。複数の高リスク患者グループ全体で優れた検査精度が示されたのは初めてのことです」とImmunoviaのCEOであるジェフ・ボルチャーディング氏は述べています。「これらのデータは、当社の商業的可能性を強化し、対象市場を拡大するものです。
VERIFI試験における特異性は、目標性能およびCA19-9と一致していました。Immunovia検査の特異性は88%であり、目標特異性90%と比較してもほぼ同等でした。前回の CLARITI 試験と同様に、Immunovia 検査の特異度は CA19-9 の特異度(88% 対 89%)とほぼ同等でした。VERIFI 試験では、対照サンプル数が少なかった(271)ため特異度の定量化の精度が低かったため、特異度は共同主要評価項目ではなく、副次評価項目でした。
VERIFIの結果は、Immunovia社の事業計画を強化し、サポートするものです。Immunovia社は、2025年第3四半期に次世代検査の開始に向けて積極的に準備を進めています。同社は、検査の臨床的影響を評価し、他の高リスク集団における精度をさらに評価するために、年内に追加の臨床研究を実施する予定です。これらの研究は、規制当局への申請や保険償還の取り組みをサポートするものです。Immunovia社は、市場導入を加速するために、潜在的な商業パートナーとも提携しています。
VERIFI試験について
VERIFI試験は、米国の主要な膵臓がんセンター6施設から採取した385の血液サンプルを用いて実施されました。研究者は、膵臓がんの中で最も一般的な膵管腺がん(PDAC)のステージIおよびIIの患者115人のサンプルを分析しました。これらのサンプルは、膵臓がんではないものの、高リスクと分類された人々から採取した270のコントロールサンプルと比較されました。これらの高リスク患者は、膵臓がんの家族歴、遺伝子変異、膵嚢胞(膵臓に生じる液体で満たされた嚢胞で、時に膵臓がんへと進行する)またはこれらのリスク要因の組み合わせを有していました。
膵臓がんについて
膵臓がんは最も進行の早いがんで、5年生存率はわずか13%です。患者の予後を改善するためには、特に膵臓がんのリスクが高い人々にとっては、早期発見が極めて重要です。特定の遺伝子変異や膵臓がんの家族歴を持つ人々は、より高いリスクに直面しています。 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などの特定の膵嚢胞も、がんのリスクが高く、15年以内に15%が膵臓がんに進行します。
詳細については、以下までお問い合わせください。
ジェフ・ボルチャーディング
最高経営責任者兼社長
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Immunoviaの概要
Immunovia AB (IMMNOV: Nasdaq Stockholm) は、早期発見を通じて膵臓がん患者の生存率を向上させることを使命とする診断企業です。Immunoviaは、高リスクの患者が膵臓がんを発症したことを示すタンパク質や抗体を検出する、血液検査に基づく簡易な検査の開発と商業化に重点的に取り組んでいます。
Immunovia社は、医療提供者、著名な専門家、患者支援団体と協力し、膵臓がんのリスクが高い人々にも同社の検査が利用できるよう取り組んでいます。
米国は、膵臓がんの検出において世界最大の市場です。 同社は、米国では180万人が膵臓がんのリスクが高く、年1回の監視検査の恩恵を受けられると推定しています。
Immunovia社の株式(IMMNOV)はナスダック・ストックホルムに上場しています。詳細については、こちらをご覧ください。 www.immunovia.com
このリリースは、Immunovia AB により送信されました。
https://news.cision.com/immunovia-ab/r/immunovia-provides-further-positive-data-from-the-verifi-study-of-its-next-generation-pancreatic-can,c4123231
サバイバーストーリー:遺伝子変異が私の治療に役立つ
2020年4月13日
マルコム・ロバートソン 著者
2017年秋から2018年冬にかけて、私は3回にわたって激しい急性の背中痛に見舞われました。3回目の背中痛発作の後、私はケンタッキー州ルイビルにある地元の主治医、ジェシー・ジェンキンス医師を訪ねました。 ジェンキンス医師は胆嚢に問題があるのではないかと疑い、腹部超音波検査を指示しました。検査から1時間もしないうちに電話があり、膵臓に腫瘍が見つかったと告げられたとき、私の世界は止まってしまいました。
CTスキャンやMRIなどのその後の検査では結論が出ず、一時は健康そのものと診断されたこともありました。しかし、ニューメキシコ大学アルバカーキ校の放射線科医である私の兄が、私の画像を同僚たちに見せたところ、全員が腫瘍内科医の診察を受けるよう強く勧めたのです。ルイビル大学病院のゲリー・ヴィターレ医師の診察を受けた後、さらに検査と生体検査を受けました。約6か月にわたる検査の後、2018年6月に、私はステージIの膵管細胞がん(PACC)と診断されました。