国内ニュース:免疫療法ペンブロリズマブがMSI-H膵臓がんに承認申請される
国内ニュース:免疫療法ペンブロリズマブがMSI-H膵臓がんに承認申請される
~ 局所進行性又は転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)がん患者を対象 ~
2018年3月30日
国内ニュース:免疫療法ペンブロリズマブがMSI-H膵臓がんに承認申請される
~ 局所進行性又は転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)がん患者を対象 ~
2018年3月30日
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海外ニュース:2024年の研究を振り返って
マロッシュ・フリッカー 著者
2025年1月9日
新しい年の始まりは、新たな楽観主義と希望をもたらします。
この時期は、私たちはしばしば自問します。「私たちはより良く、より多くを成し遂げたのだろうか」と。膵臓がん研究に関しては、この2つの問いに対する答えは「イエス」です。この1年で、私たちはこの疾患の根本的な生物学についてより深く理解するに至りました。そして、その理解により、新しいより良い治療法の実現が目前に迫っています。
2024年の新しい研究のいくつかを簡単に振り返ってみましょう。2025年を迎えるにあたり、レッツウィンチームは、皆さまがより適切な判断を下しながら前進できるよう、これらの画期的な進展を今後も引き続き取り上げていきます。
サバイバーストーリー:適切な治療のための情報収集
2024年12月12日
ステイシー・グロディン 著者
私の夫リッチは48歳の時にステージIVの膵臓がんと診断されました。約6か月間、持続的な胃の不調で体調が優れませんでした。家族でスキー旅行に出かけた後、ひどい背中の痛みに襲われました。その時、彼は消化器専門医の診察を受けることを決意しました。
当初、医師は深刻な病気ではないと考え、制酸剤を処方して夫を帰宅させました。しかし、それでも症状が改善しなかったため、超音波検査を受けたところ、肝臓に病変があることが判明しました。しかし、その病変の原因は何だったのか? その後のMRI検査で、リッチの膵臓頭部に腫瘍があり、それが肝臓に転移していることが判明しました。つまり、ステージIVの膵臓がんだったのです。
海外ニュース:次世代膵臓がん検査にプロテインバイオマーカーを使用し、早期発見を目指す
2024年12月20日
スウェーデン、ルンド
膵臓がんの診断薬を開発するImmunoviaは本日、次世代膵臓がん検査のためのタンパク質バイオマーカーを特定するためにImmunoviaが実施した発見研究が、Journal of Proteome Research誌に掲載されたと発表しました。この研究は、現在までに実施された膵臓がんプロテオミクス研究の中で最大かつ最も包括的なものです。
この発見研究では、膵臓がんの中で最も一般的な膵管腺がん(PDAC)の存在と強い相関関係を示す41の有望なタンパク質バイオマーカーが特定されました。これらのタンパク質バイオマーカーは、PDAC症例と非PDAC症例を区別する能力があることが示されました。Olinkの多重技術と従来の免疫測定法を用いて、I期およびII期のPDAC患者とマッチさせた対照非PDAC患者から採取した329の血液サンプル中の約3,000のタンパク質を評価しました。この発見研究は、Immunoviaの研究パートナーであるProteomedix AGとの共同研究であり、2023年11月に初めて発表されました。
その後のモデル開発研究では、41のバイオマーカーのうち5つがImmunoviaの次世代検査への組み込み対象として選定されました。この高性能検査は、その後、今月初めに発表された研究で、I期およびII期の膵臓がんの検出における優れた感度と特異性を示す臨床的検証が行われました。
「この発見的研究により、早期の膵臓がんを検出するための高精度な次世代検査を構築するための有望なバイオマーカーが多数発見されました」と、ImmunoviaのCEOであるジェフ・ボルチャーディング氏は述べています。「この研究が権威ある『Journal of Proteome Research』誌に掲載されたことは、当社のタンパク質発見プログラムの質と新規性を強調するものです。
Journal of Proteome Researchは、米国化学会が発行する権威ある学術誌であり、タンパク質のグローバルな分析と機能に関する研究と報告を行う一流の学術誌として認められています。Immunoviaは、2025年後半に、高リスクの個人を対象とした膵臓がんの検出のための次世代検査の発売を予定しています。
詳細については、以下までお問い合わせください。
ジェフ・ボルヒャーディング
最高経営責任者(CEO)兼社長
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【Immunoviaの概要】
Immunovia ABは、早期発見により膵臓がん患者の生存率を向上させることを使命とする診断薬開発企業です。Immunoviaは、膵臓がんを発症したリスクの高い個人が膵臓がんを発症したことを示すタンパク質や抗体を検出するための、血液検査に基づく簡易な検査の開発と商業化に重点的に取り組んでいます。
大鵬薬品工業株式会社 発表の
「アブラキサン点滴静注用 100mg 供給に関するお詫び」(8月18日付)についてのパンキャンからのお知らせ
がん治療に用いられる抗がん剤アブラキサンを供給する大鵬薬品工業株式会社より、8月18日に医療関係者に向けて、表題の内容について発表されました。
大鵬薬品工業が輸入している米国のアブラキサンの生産工場で製造上での不具合がみつかり、生産が中断したことから、海外の供給先の1つである日本への供給が停止したためです。米国パンキャン本部からの情報では、米国国内ではアブラキサンの供給停止はないとのことで、日本への供給ストップは、今回不具合が見つかったフィニックス工場に依存しているための問題とのことでした。アブラキサンの供給停止は日本とオーストラリアで発生しており、欧米(アメリカ、カナダ、英国など)では供給が継続されているとのことです。
オーストラリア政府のMedicine Shortage List(供給不足の医薬品リスト)には、アブラキサン供給停止が日本と同じように記載されました。オーストラリアでは、 これについての対応策として、2022年1月31日まで、オーストラリアの販売会社に対して他の工場で製造されたアブラキサンの輸入と販売を認めるという政府の措置がとられています。(Section19A)
NPO法人パンキャンジャパンは、本件について、8月20日にこの情報を得ました。アブラキサンは、膵臓がんをはじめ、肺がん、胃がん、乳がん等の治療で用いられている薬剤で、特に膵臓がんでは、多くの患者さんがこの治療を受けています。状況の混乱を防ぐため早急の情報提供は控え、正しく信頼できる情報をお知らせするため、本日の情報公開となりました。
本件についての対応の経過をお知らせします。まず各所と連絡を取り、8月20日に医療関係者だけではなく、治療を受けている患者への情報開示をもとめた要望書 「アブラキサン点滴静注用100mg」出庫調整並びに供給停止に関する要望書の提出について」を全国がん患者団体連合会 天野理事長と相談の上、厚生労働省、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)、大鵬薬品工業株式会社に、同日全国がん患者団体連合会より提出しました(添付資料参照)。 また、日本膵臓学会でも重要な問題として、全体会議がもたれ、パンキャンジャパン 眞島理事長も参加し、対応策について協議しました。また、8月23日には大鵬薬品工業株式会社と連絡をとり、患者さん向けの情報提供の準備を進めていただき、8月26日付で大鵬薬品工業株式会社のホームページにて、患者様およびご家族の皆様宛にお知らせが提供されました。
https://www.taiho.co.jp/news/files/pdf/abraxane.pdf
アブラキサンを使用する疾病は、膵臓がん、肺がん、胃がん、乳がんがあります。しかし、使用の割合は、全体の65%が膵臓がんであり、他がんでは、承認されているパクリタキセルという代替品がありますが、パクリタキセルは膵臓がんでは未承認のため、今回のアブラキサンは膵臓がん治療には必須の薬剤です。
■患者へ提供が求められる情報
1.フィニックス工場の再稼働の見通し
2.アブラキサンが国内で在庫切れしないように他の工場で製造されたアブラキサンの緊急輸入と販売
3.より安定した供給が行われるような体制の構築(他の工場で生産されたアブラキサンの承認取得)
■今回の問題で対応が求められる事項
●アブラキサンをはじめとした、がん治療薬の安定した供給体制
今回供給停止となったアブラキサンは膵癌患者にとり、一次治療のひとつであり、大変重要な治療薬です。製薬企業の社会的責任として、供給不能と決してならないよう、より安定した供給が行われるための体制の構築が患者側からは必須の事項としてお伝えします。
●がん治療薬の海外依存への長期的な対応整備
今回浮かび上がってきた問題、がんの治療薬の海外依存です。2010年より、パンキャンジャパンではドラッグラグ問題と向き合って、対応を継続しています。結果、PMDAによる承認プロセスの迅速化を進めるための体制構築が功を奏して、ドラッグラグも大幅に軽減されました。しかし、今回のように海外のひとつの工場で生産される医薬品に依存している限り、アブラキサンのような問題は必ず起こることを覚えておかなければいけません。特に、アブラキサンのような膵臓がん患者にとってのエッセンシャルメディスンが 海外の工場停止のために国内で供給ができなくなった場合、その対応策を十分準備しておくことが必要です。今後、迅速な対応が可能になるために、(例えば、今回のように海外に複数の工場がある場合は) 同じ製造元の他の工場から同じ効能効果をもつ薬剤を緊急輸入し、国内で迅速承認して、販売供給できるような体制作りをしておくことは重要なリスクマネジメントの対策だと考えます。
現在、米国パンキャン本部からアブラキサンの販売元であるブリストルマイヤースクイブ社と連絡をとり、アブラキサンの在庫状況、日本への緊急輸入に関する可能性、フィニックス工場の再稼働の見通しなどについての情報を求めています。(8月25日現在)
■今後のパンキャンジャパンとしての対応と情報について
パンキャンジャパンでは、欧米では供給不足がないアブラキサンの日本での在庫切れ問題について、日本の患者に実害の及ぶことがないよう、関係者に最大限の努力を求めていきます。この件については、新しい情報が入手出来次第、ホームページにアップさせていただきます。
■資料
●全国がん患者団体連合会 プレスリリース
「アブラキサン点滴静注用100mg」出庫調整並びに供給停止に関する要望書の提出について」
http://zenganren.jp/?p=3517" http://zenganren.jp/?p=3517
●日本膵臓学会 プレスリリース
「アブラキサン点滴静注用100mg」出庫調整並びに供給停止に関する要望書の提出について」
http://www.suizou.org/etc.htm#210819
●大鵬薬品工業株式会社
「アブラキサン点滴静注用 100mg 供給に関するお詫び」
http://www.suizou.org/pdf/210819/file01.pdf
以上
2021年5月24日
厚生労働省17階にある保険局医療課を訪れ、「膵臓がんのがん遺伝子パネル検査の保険償還制限見直しに関する要望書」を手渡しました。丁寧に対応してくださったのは、原澤朋史・課長補佐(写真右)、岡嶋良典・主査と伊藤宗洋・先進・再生医療迅速評価専門官の3名の医系技官でした。この要望書は、予後の厳しい進行性膵癌患者さんが、米国のように膵臓がんと診断された時にがん遺伝子パネル検査が受けられるように保険償還制限の見直しを求めたものです。