『[報告] 4/13パンキャンジャパン千葉支部 「パープルリボン医療セミナー2019」を開催いたしました』
公益財団法人テルモ生命科学芸術財団「2018年度医療・健康向上貢献助成事業」
パープルリボンセミナーin千葉2019
千葉県がんセンター様との共催で、パンキャン千葉支部の初めてのセミナーを4月13日(土)、千葉県教育会館にて開催いたしました。ご参加いただきましたたくさんの皆様、ありがとうございました。
今回のセミナーは、日々前進する3大療法をはじめ、重粒子線療法、集学的治療やゲノム医療等について広い範囲について、講師の先生方が工夫を凝らしてくださり、大変わかりやすくご講演いただきました。開会挨拶をいただいました千葉県がんセンターの山口武人病院長、ご登壇いただきました先生方、司会の石井 浩先生、またボランティアで会をサポートくださいました皆様、ありがとうございました。
パンキャン千葉支部は、千葉県内で長く患者支援活動や、市・県の委員等でキャリアのある金井弘子さんが支部長で2018年に設立されました。今後もサロン・勉強会、セミナー等を進めてまいります。引き続きご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
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AACR2024: 意味のある試験結果(FDA加速承認の問題点を指摘)
FDAにより加速承認されたがん治療薬は、全生存期間やQOLのベネフィットを示さないにもかかわらず、しばしば承認される。
エリック・フィッツシモンズ著
2024年4月8日
2024年4月7日、サンディエゴで開催された米国癌学会年次総会(AACR)で、ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院の血液学者であり研究者であるエドワード・クリフ氏が講演を行った。クリフ氏は、早期承認された多くの抗がん剤が、5年後には患者にとって意味のある利益を示していないという研究を発表した。
米国食品医薬品局(FDA)の早期承認プログラム(Accelerated Approval Program)は、有望な新治療薬がより早く患者に届くよう、早期に効果を示すことを目的としているが、ある研究により、この指定を受けた抗がん剤の中には、生存期間や生活の質(QOL)に有益性を示さないまま通常の承認を受けているものがあることが判明した。
サンディエゴで開催されたAACR2024で4月7日に発表され、同時にJAMA誌に掲載された研究によると、2013年から2017年までに早期承認された抗がん剤のうち、5年後に患者にとって意味のある転帰の改善を示したのはわずか43%であった。にもかかわらず、これらの薬剤の63%が通常の承認に変更された。
研究者たちは、体内のがんに影響を及ぼす治療法の能力を測定・追跡するために、さまざまな値を用いている。何が承認され、治療施設で使用されるかを決定するために、FDAは臨床的利益、すなわち患者の経験(寿命やQOLなど)を改善する効果を優先する。
現在、多くの研究では、検査結果や画像結果などの代替エンドポイントを測定しており、それ自体は患者にとって意味のあるものではないが、臨床的利益を予測し、より早く測定できる可能性がある。FDAの早期承認プログラムでは、有望な医薬品をより早く患者に届けるために、代替エンドポイントを用いている。加速承認された医薬品は、その後の確認試験で臨床的有用性を示し、通常の承認に移行することが期待されるが、この研究では、必ずしもそのようなプロセスではないことが判明した。
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サバイバーストーリー:家族性膵がんにプラチナ系製剤とオラパリブ
バタフライ効果と毎日を最大限に生きる~ 家族性膵癌家系からの早期発見、治癒への道 ~
著者 ヘレン・アヴラハム・カッツ
2021年9月23日
•診断後の遺伝子検査でBRCA2遺伝子変異陽性
•プラチナ系製剤を含むFOLFIRINOX、続いて化学放射線療法
•膵全摘術
•肺の再発
•PARP阻害剤を用いた臨床試験
私の名前はヘレン・アヴラハム・カッツです。私は58歳の妻で、3人の素晴らしい娘と2匹の愛らしい犬の母親ですが、それだけではありません。
2016年10月、私は膵頭部に切除不能腺癌(ステージIIA)があるという恐ろしい診断を受けました。私の母は10年以上前に膵臓がんで亡くなっていたので、私はこのひどい病気について私がこれまでに望んでいた以上のことを知っていました。また、母の兄も2014年に同じ病気で亡くなっていましたので、家族で膵臓がんに罹ったのは私が3人目でした。
編集注:バタフライ効果=1972年に気象学者のエドワード・ローレンツ氏がアメリカ科学振興協会で行った講演「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」に由来するのがバタフライ効果である。バタフライ効果とは、非常に小さな事象が因果関係の末に大きな結果につながるという考え方で、長期予測不能性を意味します。
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