国内ニュース: 免疫チェックポイント阻害薬の治療を受ける患者さんへ
2016年7月13日付 公益社団法人日本臨床腫瘍学会(理事長 大江裕一郎)は、免疫チェックポイント阻害剤の治療を受ける患者さん向けに注意を促す声明文を発表した。
2016年7月13日付 公益社団法人日本臨床腫瘍学会(理事長 大江裕一郎)は、免疫チェックポイント阻害剤の治療を受ける患者さん向けに注意を促す声明文を発表した。
臨床研究:「遺族の抑うつに対する行動活性化療法の予備的検討に関する研究」
この研究では 、「抑うつ軽減効果があるがん患者のための行動活性化療法がご遺族に対しても有用で安全に実施できるか」 について調べます。
がんでご家族を亡くされたご遺族を対象にした支援プログラム開発のための研究で、研究参加者(ご遺族)を募集しています。どうぞお気軽にお問合せください。
6月26日
カペシタビン+テモゾロミド併用療法(CAPTEM)の保険償還を目指して
欧米では膵神経内分泌腫瘍患者が使えるカペシタビン+テモゾロミド(CAPTEM)併用療法が日本ではいまだに使えません。(サバイバーストーリー:的場直子 CAPTEM体験記を参照してください)
その状況を打開するために昨年要望書を提出し、厚生労働省の担当官と協議の結果、「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を通して保険償還に向けて駒を進めることになりました。
海外ニュース:癌治療のために運動しよう
運動はT 細胞を動員し、化学療法および免疫療法と力を合わせてがんと闘う
この記事は、2022年9月22日にスタートした世界膵臓がん連合(WPCC)の世界大会、WPCC2022のScience Sessionで説明された内容をもとに作成されています。
著者 レスリー・K・フェラレリ
2022 年 6 月 14 日
■要約
運動は、特定の T 細胞を動員することにより化学療法および免疫療法と力を合わせてがんと闘います。
エクスサイズはさまざまながんのリスク低下と、治療を受けているがん患者の生活の質(QOL)の向上に関連しています。クルツ博士のグループは、有酸素運動が治療法の選択肢がほとんどない癌である膵臓がん(膵管腺癌:PDAC) のマウスでも抗腫瘍免疫を刺激できることを発見しました。
海外ニュース:mRNAワクチンが膵臓がんに有望な結果を示す
著者 ヴィノド・バラチャンドラン博士 (膵臓がん研究者)
2022 年 8 月 9 日
タンパク質は大きくて複雑な分子で、ほとんどの働きを細胞内でします。
私たちはタンパク質や細胞について聞いたことはありますが、高校の生物の授業以外では、mRNA についてあまり聞いたことがありません。mRNAとはメッセンジャー リボ核酸の略で、組織の成長と維持、体液バランス、免疫機能などの身体機能がシームレスに起こるように、どのタンパク質を作るべきかを細胞に伝えています。
コロナ感染症 による入院と死亡の抑制に役立つ mRNA ベースのワクチンの信じられないほどの成功の後、mRNA は現在、研究の中心的な舞台となっています。しかし、mRNA テクノロジーは新しいものではありません。科学者が mRNA をマウスやヒトの細胞に導入してタンパク質の発現を誘導しようと試みてから、実際には 40 年以上が経過しています。 mRNAワクチンの背後にあるアイデアは、科学者が私たちの細胞に侵入者をよりよく認識するタンパク質を作るように指示できる可能性があるということです。
■mRNAワクチンと膵臓がん
Pfizer-BioNTech のコロナワクチンと同じ技術を使用して開発された新しいワクチンは、膵臓がんの治療にいくつかの興味深い可能性をもたらしています。最初の試験では、mRNAワクチンを投与された膵臓がん患者の半数が、18 か月後にがんのない状態を維持していました。
2016年5月24日
Merrimack社は、イリノテカンリポゾーム注射液(商品名:オニバイドOnivyde)+フルオロユラシル (5-FU)+ロイコボリン併用療法が2016年版NCCN診療ガイドライン(2016 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology)に、ゲムシタビン耐性の進行膵がん患者さんのセコンドライン治療として表記されたと発表した。この併用療法は、エビデンスレベルが一番高い「カテゴリー1」が与えられている。
「ゲムシタビンを使用した治療に耐性ができた患者のための唯一のFDA承認を受けた治療法として、治療法が限られた患者のアンメットニーズに答えるものである」とMerrimack社のスポークスマンは語った。
研究論文は膵臓がんTCR療法の可能性を強調
~KRAS G12D 変異を標的とする TCR 遺伝子治療~
2022年7月27日
このシナリオを想像してみてください。潜在的な新しい治療法を探していた進行膵臓がんの女性が、KRAS G12D 変異を標的とする TCR 遺伝子治療と呼ばれる新しいアプローチを発見しました。この患者は、手術、放射線、複数回の化学療法など、あらゆる標準治療を受けてきました。しかし、肺に転移した悪性病変は増加し続けていて、化学療法の継続も選択肢の 1 つとして考えられましたが、彼女はそれ以上の治療を望んでいました。彼女はいくつかの調査を行い、養子細胞療法(adaptive cell therapy:ACT)という一種の免疫療法で首尾よく治療された転移性大腸がん患者についての論文を見つけました。
この患者は、現在オレゴン州プロビデンスがん研究所の一部門であるアール A. チャイルズ研究所 (オレゴン州ポートランド市) に所属する研究者のエリック ・トラン博士に連絡をとりました。そして、すべての適切な承認が与えられ、患者はこの治療を受けることができました。現在、彼女の腫瘍は 72% も縮小しました。
このACT治療法は斬新ですが、「見出しを超えて読むことが重要である」と、世界をリードする癌免疫療法の専門家の 1 人である、ジョンズホプキンズ病院 (メリーランド州ボルチモア) の シドニーキン・メル総合がんセンターの副所長である エリザベス・ジャフィー博士は説明します。ジャフィー博士はまた、膵臓がんスキップビラーセンター の所長であり、がん免疫学のブルームバーグキンメル研究所 のアソシエイト ディレクターでもあります。