膵臓がんのサブタイプは、予後と治療に関する手がかりを教えてくれる
The Aguirre Lab Team on the November Pancreatic Cancer Awareness Day.
膵臓がんのサブタイプは、予後と治療に関する手がかりを教えてくれる
2020年10月26日
膵臓がんの研究者はみな「共通の目標」を共有しています。それは「この病気を最も致命的ながんの中から救い出し、治療しやすいものに変えたい」という目標です。
アンドリュー・アギーレ博士とデビッド・ティン博士の研究室では、この疾患のいわゆる“転写サブタイプ”と言われる分子的アイデンティティ(特徴)が患者ごとにどのように異なるかを調べることによって、膵臓がんの謎が解明されつつあります。研究の究極の着地点は、個々の患者に最適な治療が何であるかをより正確に診断する方法を見つけることです。
「膵臓がんは非常に攻撃的であるため、治療のファーストライン(第一選択)の設定で適切な薬剤を選択しないと、患者は薬剤からの効果を得ることなしにその毒性を獲得してしまうため、治療の機会を逃してしまいます」とハーバード大学医学部の助教授であるアギーレ博士は述べています。アギーレ博士は、ボストンにあるダナ・ファーバー癌研究所(アメリカ国立癌研究所(NCI)指定がんセンターの1つ)の腫瘍学者であり、ハーバード大学およびMITのブロードインスティテュートの準会員の研究者です。
また、アギーレ博士と研究を進めるティン博士は次のように語ります。「腫瘍マーカーとがんのサブタイプを事前に定義することは非常に重要です。膵臓がんの生物学をよりよく理解し、精密医療(ゲノム医療)がさらに多くの患者に利益をもたらすためには、適切な分子標的療法を特定する必要があります。」ティン博士は、ハーバード大学医学部助教授でマサチューセッツ総合病院(MGH)のイノベーション担当准臨床ディレクターです。